true tears(アニメ)紹介 4〜5話

 乃絵を状況の一部だと考えるなら、物語は単に二人のそれとして素直に受け取ることができる。乃絵の輝かしく提唱する「真心の想像力」はついに破綻するからだ。にもかかわらず眞一郎は「心の中のアブラムシ」と泣きながら歌う。果たして比呂美は拭いがたい過去そのものなのか。だとすれば、父母たちの因縁もまた、物語に影を落とすことをやめない。


episode4 はい、ぱちぱちってして



 「お婆ちゃんもうすぐお空に旅行に行くんだよ。その時、着替えと一緒に、乃絵の涙を持っていってあげよう。そしたらもう、泣き虫乃絵は泣かなくて済むよ」



 昨年の交流試合以来、乃絵の兄に惹かれていると語る比呂美。「比呂美の涙を拭いたい」との願いが勝手な思いこみだったと知り、気を落とす眞一郎は、愛子に慰められ、二人きりでショッピングに向かう。帰宅後、彼を気遣う比呂美に、眞一郎は心にもなく嫌みを言ってしまう。彼は泣き出しそうな比呂美に気付くものの、母親が現れたことで自室へ戻る。残された比呂美に対し母親は冷たく「その目、あなたの母親にそっくり」だと告げる。下校時、またもや赤い実を持ってきた乃絵に、眞一郎は「今なら俺の涙をやれる」と自嘲するが、乃絵は今の眞一郎の涙には価値はないと断言し、彼の顔面を噴水に突っこむ。眞一郎は不潔だと憤慨するものの、今の彼を蝕む菌の方がより危険だと乃絵は告げる。祖母が死と共に彼女の涙を持っていって以来、自分は泣けなくなったのだと語る乃絵。「誰でもってわけじゃない。とっても、とっても大切な人の涙だけ、貰ってあげることができるんだ」。だから眞一郎は気高く空を向くべきだと乃絵は結論付ける。乃絵は眞一郎の涙の理由が比呂美にあると見破り、真心の想像力について説明する。眞一郎は比呂美にひどく当たったことを反省し、乃絵のことを見直す。帰宅した眞一郎に、父親は「今度絵本を見せてくれ」と話しかける。一方で乃絵は、兄の純に「眞一郎はユニークなところがある」と話していた。翌朝、洗面所で比呂美に謝る眞一郎。歯ブラシに洗顔フォームを付けた眞一郎を見て屈託無く笑う比呂美。彼女を笑わせることができたことを、眞一郎は誇らしく思う。玄関を出たところで彼を待っていた乃絵の兄は、眞一郎に乃絵と付き合えと告げる。



Veohのコメント欄から抜粋した外国人コメント

 なんてこった、良くなってる。乃絵の兄は乃絵が好きだけれど、一緒にデートに行くわけにはいかない。だから彼女を幸せにしてやりたくて、彼にあんなことを頼んだんだ・・・・・・これは面白くなってきた。


 俺にとって乃絵の涙はどうでも良いことだ。それは彼女の問題だ。彼女は眞一郎を奴隷のように扱い、少年達を少女達よりも劣ったもののように見せる行為を止める必要がある。眞一郎が鳥のエサを食べた乃絵の顔を見て笑ったのを見て、俺は嬉しく思う。また、愛子が眞一郎に食事を振る舞うなんて好ましい行動を取れることにショックを受けたが、俺はまだ彼女を許してもいなければ、彼女がいつも彼を見下していたことを忘れもしない。彼女は自分が彼女自身以上の何ものでもないことを理解すべきだ。


 毎エピソードごとに面白くなるね・・・・・・今や親友の彼女も、眞一郎への想いを再燃させて・・・・・・実際、凄く面白くなってきたぞ。


 ワーオ、愛子と眞一郎の友人は良い具合にget alongし始めたよ! 彼らはまもなくカップルになると思うね :P


 彼が烏たちに向かって叫ぶシーンは面白かったなー。しかし乃絵の兄はどうしてあんな風なことを言い出したんだ?


 あの海岸風景、烏たち、そして彼の想像の中の乃絵の翼、アニメ版AIRへの言及があることは間違いないよ。そして、どうしてこのアニメに近親相姦って分類があるのかについて気付いた・・・・・・X.X


 彼女が眞一郎を溺れさせようとするシーンには笑った! 若い愛って良いな。乃絵の兄の、乃絵に対する振る舞いを見ると、彼が本当に乃絵の兄なのか怪しくなるね。


 3:45を見たとき、AIRかと思った。


 「涙を貰う」ことの意味、そして「真心の想像力」、二つの重要な概念が提示される。比呂美と乃絵と眞一郎の三角関係に、愛子と三代吉、そして乃絵の兄純が加わり、涙の物語、雷轟丸の物語、眞一郎と比呂美の物語、兄妹の物語、彼らの物語、そして真心の想像力の物語は並行に走り始める。



episode5 おせっかいな男の子ってバカみたい



 「ちょっと誤解しかけてた、眞一郎のこと。でも、やっぱり違ったわ。眞一郎は飛べる。気高い涙を流せる人だわ。眞一郎は」



 飼育小屋の前で乃絵に出会った眞一郎は、祭りの花形を踊ることを彼女に話す。彼女の賞賛を面映ゆく感じる眞一郎。昼食時、朋与を待つ比呂美の元に乃絵が訪れ、二人はおかずを交換する。下校時、眞一郎は比呂美を誘い、道すがらに昼食の件や踊りの花形について語り合う。しかし二人の帰宅を目撃した母親は、眞一郎と一緒に歩くようなことがないようにと比呂美に命令した。翌日、比呂美の好物を作った乃絵だが、比呂美は昼練のため現れなかった。弁当の残りを持って踊りの稽古場を訪れた乃絵は、眞一郎の姿を褒め、彼を見直したと告げる。眞一郎は飛ぼうとするニワトリ、雷轟丸の物語を描き始める。眞一郎は再び現れた純に「俺が乃絵と付き合う代わりに、比呂美と付き合え」と交換条件を出したところ、純はあっさりと聞き入れた。自室を訪れた眞一郎に、彼がこの部屋に入るのは初めてだと喜ぶ比呂美。しかし彼が純の返事について語ると、比呂美はそれに冷たく応じ、部屋を出て行くよう望む。眞一郎は住み込みの少年が発見したアルバムに、比呂美の両親の姿を見つけるが、何故か比呂美の母の顔の部分は全て切り取られていた。翌日、下校時に今川焼きの店を訪れた眞一郎に、愛子は思わせぶりな態度を取る。



Veohのコメント欄から抜粋した外国人コメント

 ふむ、やっと、どうして彼女が誰を好きかについて嘘を付いたかの理由が分かったね。眞一郎の母親は大嫌いだ。


 このシリーズは本当に興味深い。謎がいっぱいだ! そして・・・・・・眞ちゃんのお母さんは怖い!


 よーし、話が噛み合ってきたぞ。次はどうなるんだ。むう。


 あのアルバムを見た後、僕には、眞一郎の父親と比呂美の母親には何らかの関係があったように、あるいはもしかすると、眞一郎と比呂美は兄妹で、秘密にされていたんじゃないかって思うな。


 序盤屈指の名エピソード、比呂美の部屋。ここまで見てきた視聴者は、もうこのアニメの視聴を止めようとは思うまい。どこか純粋な、悩みを超越した気配の乃絵が描かれる4話、そして地上の迷路を代表するかのような比呂美の5話。なお、すべてのストーリーを知った後で見直すと、やりきれないエピソードでもある。だから僕にはなおさら分からなくなるのだ。あの結末が本当に良かったのか。あるいは、それで良いとする場合、その根拠の在処について。


 つまり、この物語は果たしてグッドエンドなのかについて。


true tears vol.3 [DVD]

true tears vol.3 [DVD]


1話〜3話のあらすじ
6話〜7話のあらすじ