2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧
ドン・カミッロ 第六話:禁猟区にて ドン・カミッロは毎朝、教会の塔の有名なひび割れを測りに行くことを日課にしていたが、結果はいつも同じだった。割れ目は広がることもなければ、縮まることもなかった。業を煮やした彼はある日、寺男を役場に使わした。 …
ドン・カミッロ 第五話:夜間学校 マントを羽織った男達の一団が、用心深く野原の道を進んでいた。闇は深かったが、彼らは土地の土くれから土くれに至るまでよく知っていたので、その足取りに不安はなかった。そうして街から半マイル離れた一軒家の裏手に辿…
ドン・カミッロ 第四話:追跡 ある日の説教の最中、地域背景についての段で、ドン・カミッロが”あの男”への悪口に少々脱線し過ぎた結果、鐘突き係がいったい誰なのかさえ忘れられていた教会の鐘にまつわる大惨事が起こった。 一人の呪われた魂が、鐘突き棒に…
ドン・カミッロ 第三話:お触れ ある午後遅く、街の文具屋であり、二箱分の活字と1890年製のペダル式印刷機を持っている(そんなわけで彼の店舗には「印刷所」と看板が掲げられている)バルキーニ老が司祭館を訪れてきた。彼がドン・カミッロの書斎に少し留…