『海がきこえる』ラストシーン(主人公によるヒロインの回想)

 アニメ史に残る、感動的なのに感動的じゃないシーン。

ライトアップで浮かび上がった高知城は、一人で見ても電気の無駄にしか思えなかったけども、もし里伽子と二人だったら、きれいに見えるに違いなかった。僕は高校のころに、里伽子といろんな無駄話をしたかったんだ。里伽子とこんな風にして城を見上げたかったんだ。



杜崎くん、お金貸してくれない?
なあに?先生みたいなこと言うのね。杜崎君ってそんな優等生だったの?聞いた話と全然違うわ・・・

誰にも言わないでって言ったのに、もう松野君に喋っちゃったのね。杜崎君って男のくせにけっこうおしゃべりなのね。

私、生理の初日が重いの。貧血を起こして寝込むこともあるのよ。
パパに会ったら私、話すつもりでいるの。パパと一緒に暮らしたい。東京に戻りたい。

ここに泊まるわ。請求書はパパに行くんだから私にも権利あるでしょ。
私の部屋もね、すっかり模様替えされてたの。壁紙なんか、濃いグリーンなのよ。

私、パパの味方のつもりだった。でも、パパは私の味方じゃなかったの。
私って可愛そうね。ほんとにくだらないわよ。彼も私も。

酷い東京旅行になっちゃったわね。
ずいぶん友達思いじゃない?もういいでしょう?
馬鹿!あんたなんか最低よ!


 僕の愛するアニメクソヒロイン三人衆が一人武藤里伽子さん。かわいい。しかしなぜ月がきれいを見終わったあとに夫婦揃ってこれを思い出すのか。ちなみにアニメクソヒロイン三人衆のあと二人は湯浅比呂美と鮎川まどか(『あの日にかえりたい』の)。

 「なんで茜はあんなに急に別れを決意するほど怒ったのかな」「生理だったんじゃないか」「なるほど」「そういえば里伽子がつるし上げられてたシーンで拓はどう振る舞うべきだったんだろう」「いつもと変わらない対応だったのにえらく切れられたね」「生理だったんじゃないか」「なるほど」

 「でも遠距離になった小太郎が茜と結婚まで持っていけたのが月がきれい最大の謎だね」「茜どうみてもモテまくるしなあ」「小太郎の方はまあブレないとして、茜はたぶん流されるよ」「そりゃまあなんどか間違いはあったんじゃないの」「生々しい話になった」


次回「比良くん追悼企画・名言回想集」

月がきれい最終回を見て


 まず感謝を伝えたい。こんなに魅力的なキャラクターたちについて、こんなに愛すべき物語について、こんなに素敵な3ヶ月について。得がたい。得がたい時間でした。

 誰もが経験したような、してないような、水色時代の思い出。絶妙なファンタジーだと思う。作品が内包する様々なリアリティの核心に存在する、小太郎というファンタジー。あんな文芸少年はたぶん存在しない。しないけれど、してほしい。

 予定調和。第1話に唐突に挿入された「ハッピーエンド」の文字が、どれだけ試聴に平穏を与えたか。ぶれない姿勢がもたらしてくれる、本筋への没入感。よかった。ジェットコースターは事故らないことを前提にした遊具だ。おっさんにも優しい。

 国語の時間。この物語が僕に(そしてあるいは、きっと、多くの視聴者に)与えてくれたもの。登場人物たちのこころについて考えること、作者の気持ちについて考えること、そして、自分がどうしてそう思ったかについて考えること。そういったプロセス自体が本来持っている幸せについて、この作品は伝えてくれた。

 そして茜が可愛い。うちの妻よりちょっと可愛い。


 本当にありがとうございました。

月がきれい10話速報 水野茜は二度泣く

 風立ちぬからの斜陽とかいうタイトルでハラハラして更新できなかったおっさんです。ああ長かった。どこが斜陽かなという謎を残しつつも、よかったねお幸せに感が作品に満ちあふれた結果、世界燃焼が生じて地獄の力が勝利を収める・・・。破壊してよい壁はどこか。




 キスのときの茜のちょっといたずらっぽい表情いいですね。


 8話のときもなんかこんな感じで。可愛いですね。壁はどこか。


 9話から10話のお話はたぶん二人の間に残った最後の距離感についての物語で、その象徴的なものの一つが小太郎の立ち入れない陸上部という空間でした。茜が(理由はともあれ)最後の大会の応援について小太郎を明確に拒絶したのは印象的であり、あるいは未だ残る茜と小太郎の間の数十センチの距離であり、9話ではそういったもろもろが川越と千葉という実際的な距離に擬えて描かれてたように思います。
 そのへんを敏感に感じてフラストレーションを溜めた小太郎の10話の振るまいはさすが押したり引いたり百戦錬磨チートのスケコマシ、もとい、さすがに賛否を呼ぶところでしょうが・・・7話であれだけ男を見せておきながら、比良も千夏も断れない茜の優柔不断にずっと引きずられていたわけで、これはちょっと彼女にも悪いところがなくもないのでまあ仕方ないかなあと僕は思っています。
 ともあれ陸上部は茜の引退と比良の玉砕を経てもはや聖域ではなくなり、また二人の物理的距離は茜からの(やりましたね!)タックルにより解消されました。つまるところ、もはや茜が千葉に行こうが行くまいが小太郎が受験に成功しようがしまいが、お話的には答えは出てしまったわけですから、僕ら視聴者にしてみればあとは壁を殴るくらいしかやることは残されていないのです。


 四畳半神話大系の主人公の言葉を借りれば「成就した恋ほど語るに値しないものはない」という。壁、否、お幸せに。


【おまけ】

654風の谷の名無しさん@実況は実況板で@無断転載は禁止 (ワッチョイ 1722-VLdI)2017/06/16(金) 00:41:40.61id:rpKkD5EZ0
ワイの青春になかったものが全部あって怨嗟しかない
https://shiba.2ch.net/test/read.cgi/anime/1497413570/128-n

 先日ひさびさにたくさんアクセスがあって、嬉しくて見に行ったら2chで、月日がたってもやっぱり2chはおんなじことしてて変わらないねと思ってほんわかしました。ご紹介ありがとうございます。
 この世の暇を煮詰めたような沼地から思わぬ名言の花が咲くのも昔と変わらず。

『月がきれい』 小太郎さんの名セリフを知らないのかよ

 7話でいきなり覚醒したかのように語られがちな小太郎ですが、いやいや前からすごかった。ほとんどチート主人公です。ギャルゲーの選択肢ネットで正解調べたレベル。ピックアップしましょう。


【2話】 芋を見つけて励ます

 マスコットを落として組別リレーで失敗、比良には的外れな励ましを受けた上、クールガールズグループにはトイレで笑われ、すっかり落ち込んだ茜を励ますシーン。

 「あーよかったーあたしこれがないと緊張して、でもほら今日失敗しちゃって、人に見られるの苦手なんだ。ほんとハズいんだけど、でもやっぱ走んの好きで。ほんとダメだよねあたし。」

 「水野さんはそのままでいい、と思う」

 我が意を得たり! すごいですね。安心すると脈絡なくマシンガントークする茜の話の要点を掴んで端的にお返事。ルート入りました。比良の励ましとの対比が憎い演出。

参考:比良くんの励まし

「大会じゃなくてよかったな!」


【3話】月がきれいですねタイトル回収

 「ほんと、月、きれい」
 「つき」と言いかけたら月がきれいですねを先に言われてしまう文学主人公。からの

 「付き、合って」


 一体視聴者の誰が、3話にして主人公が告白すると思っていたでしょうか? 冗談めかした言い訳のきく「月がきれいですね」からど直球「付き合って」への鮮やかな転身。万事切り替えていく小太郎の対応力は来る波乱の時代のビジネスマンにも必要とされるでしょう。実際3話のラストシーンは月がきれい屈指の名シーンだと思われます。


【4話】「それって、返事?」

 「付き合うって、よくわかんないし、少し待って、返事」

 告白の返事が来ないので小太郎から自由時間のお誘い。投げたボールが帰ってこないときはこちらから追加のアクションをしましょう。来たるべき新時代のビジネスマンにも不可欠の姿勢です。なお待ち合わせ場所は京都土井丸。大丸ですね。入り口が四条通側に2カ所、東側に1カ所、反対の北側に1カ所ありますので携帯なしで待ち合わせと聞いた瞬間「あっ・・・(察し)」となります。案の定すれ違った茜と小太郎。


 「遅いし」「ごめん」

 「勝手に待ち合わせ決めて、行ったらいないし。雨降ってくるし、携帯つながらないし」

 「ごめん、携帯先生に取られた」

 「なんで千夏の携帯? 仲良いよね、なんか」「たまたま・・・」「なんか・・・」「なに?」

「なんでもない! わかんない! わかんないけど・・・。ぜんぜん話せないし」「うん」


 「もっと・・・喋りたい。安曇くんと」



 「それって、返事?」

 「うん・・・」

 ここ! ここです。「それって、返事?」。小太郎の真骨頂!
 もしここで、「それって、どういう意味?」とか言ってたら、きっと「もういい!」とか言われて帰られちゃったでしょう(茜はおなかが減っていて不機嫌です!)。一方で、延々と「ごめん」だけを言い続けていても告白の返事を貰うまではこぎ着けられなかったでしょう。癇癪を起こした同級生の女の子の振る舞いを絶妙にコントロールしています。中学生男子の対処とは思えません。やっぱチートじゃね?


【5話】小太郎さん恰好よすぎて千夏まで引っかける
 クラスの目が気になって学校で話せない二人。スランプ気味の茜はまわりから比良とくっつけられそうになってストレス。図書館デートは千夏の乱入でオジャンに。

 「水野さんも塾・・・」「行かない!」 珍しく選択肢失敗。


 さりげなく道路側に回って千夏の好感度を上げてしまう・・・。

 「あー、なんかもう・・・」。早くも破局の危機。知り合いのお兄さんに渡りを付けて貰って茜と二人っきりに持ち込みます。難しい交渉相手を自分の土俵にあげるフットワーク、来たるべき騒乱の時代のビジネスマンにも学ばれるべきです。

 「二人で話したかった」「学校だと、無理じゃん、せっかく、付き合ったのに。」

 茜の気持ちを代弁してしまう小太郎かっこよすぎ濡れちゃう。


 「水野さんが走るとこ」「えっ」「すごい・・・すごい俺、好きっていうか」

 「・・・ありがとう」

 「見に行こうかな」「えっ?」「応援。」「嫌なら・・・」「嫌じゃ、なくて・・・」











 キャー。ほーら見ろ小太郎さんっていつだって決断的行動力でぐいぐい行く子なんですよ。7話の切れ味がすごすぎただけで前々からアニメの鈍感系主人公とは一線を画しているのです。でも7話はすごかった。実際すごかった。あんな主人公見たことないもん。ね。


参考:比良くんの励まし

 「いろいろあんの?」「まあいいけど・・・」

安心感

 比良くんの時とは違ってザックを降ろしてます。

『月がきれい』7話が何回見ても面白い

 すべてを過去にした! いやーすごかった。季節はいつの間にか夏、二人の距離感も関係も回りの人間模様もいきなり変わりました。すごいヤバイ。大人の階段を順調に登ってる二人かわいい偉い。チューしてる! 大傑作。



 すごい奪う。



 千夏が小太郎にまとわりついたり、クールガールズグループからは比良とひっつけられそうになったり、わりと茜の鬱憤が溜まったところで、

 「付き合ってんだ、俺たち」

 すごい。僕には無理です。あなたできますかこれ・・・。前から小太郎はここぞという時の行動力と状況判断にすぐれてるねという感じだったけど、もはやこれは決断的行動力というべき。まさにニンj・・・ヒーロー。茜でなくとも格好いいし惚れちゃうレベル。

 (ヤバいうれしい茜)


 ヒョエー。


 「ごめん、なんか勢いで」

 「いいよ、ほんとのことだもん」
 って言うときの茜がとても可愛い。めちゃくちゃ嬉しいのを隠そうとして変な顔になってますね! しかし、自分を取り巻く恋愛問題をあれだけ見事に一刀両断してもらえたら誰だってそりゃもうむちゃくちゃ嬉しい。しかも、比良くんも「マジで?」としか言えない小太郎の切れ味。嬉しいし格好いい。なんだ小太郎やっぱりチートだろ・・・小太郎きたない・・・。





 なんのアニメだったかなと思うレベルでふつうにカップルです。



 (キスかー。中学最後の夏、花火の下、遊園地・・・)

 (シチュエーション的に申し分なし!)
 以上、うちの奥さんが茜の内心当てレコしてました。


 最後の茜の「ごめん」はさて、誰に向けての発言だったのかなあという。現状残された問題の解決は、茜の課題に思えますが・・・。


【おまけ】

 今週の比良くん。


 消えた茜のバッグ。



 茜の知ってる涼子先生情報、小太郎経由のロマン情報?


 やっぱりそういうことなんでしょうか。

アニメ『月がきれい』残念な比良特集

 茜と三年間同じ部活でけっこう親しいという圧倒的アドバンテージをこれまでのところことごとくドブに捨てているキャプテン比良くんを特集します。
 比良は悪くない。しいて言えば相性が悪い・・・。


【1話】 「春と修羅
 茜の走る姿をじっと見つめる比良。

 じっさいお高めの茜。

 人見知りかつ内弁慶ぎみとは言え陸上部の主力、クラスでもクールガールズグループに所属するヒロイン茜と同じ部活の主将という立ち位置をチラ見させて、小太郎の強力な恋のライバルになるかと思われました。


【2話】 「一握の砂」
 冒頭、小太郎の前で茜と親しく会話し勝負にならない感を漂わせる比良。

 「黄色組が買ったらジュースおごってよ」「なあにその余裕は」「マジありえない」
 人見知りの茜がまるで友達と話すように話してるのが印象的です。少なくとも茜にとって比良はそこそこ気の置けない相手であったのは間違いなさそう。しかし。

 組対抗リレーで失敗して落ち込む茜を慰めるよう言われた比良。

「落ち込んでんの?」「大会じゃなくてよかったな!」「水野ならもっと出来るって」「頑張ろうな!」

 そうじゃないんだよなあ感溢れるKYコメントを残し爽やかに去って行ってしまった比良くん。2話にして残念感が一気に押し寄せ、ご存知この後、本当に欲しかった言葉をくれた小太郎の株が茜の中で爆上げ。


【3話】 「月に吠える」
 友人たちに比良は茜のこと好き、付き合わないのと言われる茜。

 回りから見てもお似合い。

 一方、大会前、緊張している茜を励ます比良。

 「もうすぐだろ」「自己ベスト、出せよ?」
 「うーん、どうだろ・・・」「うん・・・」。コンセントレーション邪魔されまくりでけっこう素っ気ない感じの茜の姿に危機感を覚えたか、突如として告白モードに入る比良くん! ついに来るか!?


 「なあ、水野」

 「え?」

 「やっぱ、いいや」
 よくないだろ! ここで告白をしておけば比良ルートの目もあったのではないかという分岐点。ご存知、仕合に勝ってウキウキの茜はこの後ほいほい神社に向かい、小太郎の告白を受けることになります・・・。


【4話】 「通り雨」
 登場せず。
 僕が思うに真面目な比良は先生の言いつけに従い携帯を持ってこなかったのでせっかくの修学旅行をみすみす棒に振った。なお、ご存知京都で小太郎と茜は


【5話】 「こころ」
 後輩たちに比良と付き合ってるのかと訊ねられる茜。

 スランプ気味の茜を気遣い、帰りに話そうかと誘う比良。
 
 「水野、タイムすげえ悪いぞ」「なんか・・・あった?」「帰りに、話そうか」


 (・・・。)





「いろいろあんの?」「まあいいけど・・・」


 何がよいのか。なぜそこでもっと行かないのか。そもそも相談に乗るって言っておいて開口一番「いろいろあんの?」ってなんだ。 実に比良らしいが何もよくない。せっかく勇気を出して帰り道誘ったのにどうしてそこでもっと頑張らないのか・・・。ほんと比良ってその、青春のあれだよね。ご存知、茜はこの後小太郎に薄暗いお店に連れ込まれて手を握られます。


【6話】 「走れメロス
 仕合前の親友の発言でコンディションを崩し、タイム出せなかった茜に。


 「水野! 今日の試合どうしたんだよ。全然集中出来てなかっただろ」

「県大会狙えると思ってたのに、去年よりタイム悪いくらいじゃないか、なあ水野!」

 あーあ、泣かした。ついに比良くん茜を泣かしてしまいました。

 「もっと行けるって!」「俺、好きなんだ。おまえ、楽しそうじゃん、走ってるとき」

 惨めなカット。比良ついにやらかしたーって感じですね。皮肉なのは比良のセリフ、5話で小太郎が茜に言った「俺、水野さんが走ってるの、すごい好きで」とまったく同じ内容っていう。つらい。つらい。まあこんな状態の女の子慰められるのは好きな男の子くらいであろうと妻が言ってたので比良が必ずしも100%ひどいというわけでもないのではないかと若干のフォローをしておきたいと思います。

 全体として、茜が落ち込んだ時、比良は必ず気遣ってるんですよね。茜のことをずっと見てる。アクションもだいたい小太郎より一足先。なのにいつも空回ってる印象です。でもこれ、比良の出来が悪いんじゃなくて、小太郎がチートなだけだと思いません? 中学生男子ってほら、たぶん実際、頑張って比良ですよ普通。チート主人公にはかなわん。


次回『文芸部の俺が選択肢全問正解チートで陸上部女子を落とす件

アニメ「月がきれい」6話を見て

新たな世界の入り口に立ち 気づいたことは1人じゃないってこと
挿入歌 レミオロメン『3月9日』より

 1話(小太郎、茜が好きになる)、2話(茜、小太郎に好意を持つ)、3話(小太郎、茜に告白する)、4話(小太郎と茜、付き合う)と猛烈な速度で進んだ物語ですが、近年稀に見るロマンチック回の5話を経て、新しいステージに入ったようです。
 5話のラスト、二人の関係について焦点が絞られていたクール前半戦のクライマックスに、(まるで水を差すように)千夏から届いた「安曇くんが好きになっちゃった」のメッセージは、6話からの展開の先触れだったんですね。
 6話、全体によそよそしさみたいなもの、なんかそういうの感じませんでしたか。言うまでもなく、この回では、それぞれの活動が順風満帆とは行かないことが描かれていて、一種のストレス回であるのは間違いないのですが、単純に、いわゆる物語的カタルシスのためのストレスというわけでも、なおさら、そのストレスで不安にさせられたというわけでも、なさそうに思えるのです。
 中学三年。二人がそれぞれわけのわからない人に直面し、これまで経験してこなかったような困難に当惑する6話。実に、前話のラストでは、千夏のメッセージが二人だけの幸せな世界をぶっ壊しています。6話とはたぶん、二人が外の新しい世界に、とても陳腐な言い方をするなら、社会みたいなものに向き合い始める、物語のターニングポイントでした。
 すごく健全で、とても自然な展開。まるで教科書みたい。「かくあるべし」と嬉しく感じる反面、この肌触りのよい物語が、これまで描いてきた夢みたいな二人の世界を躊躇なく後にして、断固先に進んでいこうとすることを知った寂しさみたいなのを、僕は否定できないのです。ちょうど、茜に彼氏ができたと聞いた時の父親みたいに。


【おまけ】
・茜から大会の結果のline来なくて、ついに自分から送ったメッセージが「会いたい」だとか、これはもう比良の出来が悪いんじゃなくて、パーフェクトコミュばかり引く小太郎がチートキャラなだけ説
・大人からみると悪意を持って振舞ってるとしか思えない千夏も、案外「正直なのは常にいいこと」と思い込んでるだけの中学生なのかもしれないし、友人がつきあってる相手と知らずに好きになったのなら付き合ってると聞いたときに諦めもつくけれど、付き合ってると知ってて好きになった場合、もう告白して断られるしか諦めるタイミングないと感じてるのではないか、それにしたって「友達だから」の流れで手を握った状態で告白していい?って訊くのはどう考えてもずるい振る舞いで、常に正直に振る舞うポリシーが相手の気持ちや立場を顧みない行動の言い訳になってるところもあるんじゃないか、でも中学生だもんね