true tears(アニメ)紹介 episode13 君の涙を... その3(後編A)

 饒舌だった物語は再び沈黙し、最後のページをタイトルに委ねる。


見ない。



お前にみてほしくて描いたんだ



「見て貰えないなら、捨てるかな」



どこに捨てるの?



ジベタが飛ばないことを選んだ海に



見てたの?







乃絵!



「何やってんだよ、馬鹿!」





「ブリ大根、作ったんだけど、多すぎちゃったの。食べて」



上がって下さい。お茶入れますから。



「すごく美味しそう、おばさん」



そう? ありがと



「・・・待つのって、体力いるのよね」



ありがとう、ございます



最後の一枚がない。



いいの。飛ぶことの出来た雷轟丸は、その後どうなったのか、自分で考えてみる。



俺さ、比呂美が好きだ。



わかってるわ。



でも、絵本が描けたのは、乃絵がいたからだ。踊ることができたのは、乃絵がいたから。



眞一郎は、私が飛べるって。



信じてる。



俺は、比呂美が好きだ。でも、おまえを見てると、心が震える



「眞一郎が、私が飛べるって信じてくれる。それが、私のつばさ」



「だから信じていて欲しいの。私はまだ飛べないから、歩いてく」



「すぐそこのお鍋の底にあぶら虫、眞一郎の靴の底にもあぶら虫・・・」



・・・眞一郎の、心の底にも、湯浅比呂美



「・・・すぐそこの」



お鍋の底に・・・



「・・・あぶら虫」



眞一郎の・・・


 雷轟丸とじべたの物語にどんな結末を与えるか、true tearsはそれを一人一人の視聴者に委ねます。これは現代文の授業。ニワトリの生態観察をして、それについて書くのとは違う何かです。


 物語の意図を図りながら、自らの考えの帰結を導く。conclusionは結局、各自が出した推論に過ぎません。作者のそれさえ含んだ決着、納得する人も、できない人も、少し立ち止まって、どうしてこうなったのか、そしてどうしてそう思ったのかについて、思いを馳せてみるのはどうでしょう。


 ともあれ、思ったより長くなったので後編を分割しました。外人が「NO! NO FINAL KISSES!!!!!! NOOOOOOO!」と叫んだ2人のラストシーン、三代吉と愛子のその後、そして乃絵の見上げる空、そういったあれこれについては、次回に持ち越し。考える時間は、たくさんあります。


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13話のあらすじ3(後編A) 未了
13話のあらすじ2