NEET

Not in Employment, Education or Trainingの略。仕事もせず学校にも行かず、家でゴロゴロしている人を指す。いや家でゴロゴロしているかどうかはどうでもいいのか。とにかく最近NEETが問題だ大問題だとうるさい。しかしこんなのは当たり前の経済学上の事象であって、特に珍しい問題でも何でもない。そこには「仕事をしない人が多いとGDPが増えませんよ」と言いたい政府の見解と、「いい大人がゴロゴロしているのはロクでもない」という勤労道徳的な視線が混ざっている。
そもそもNEETはなぜ仕事をしないのか。当然、仕事をしなくても生きていけるからだ。もっと正確に言うなら「生活に十分な程度の所得を既に持っているので、追加的労働をして所得をさらに増やすよりも、その分の時間を好きな目的に振り向けることを選択している」のである。だから彼らを仕事に向かわせるには(家でゴロゴロするより好ましいと彼らが思うくらいに)好待遇な条件を出すしかないし、もしそれが不可能だというなら素直に放っておけばよい。NEET現象というのはつまるところ自然失業率の上昇に過ぎない。