KING

 スティーブン・キング独断的傑作選    人に薦められない編

『ファイアスターター』 平凡な学生カップル、ヴィッキーとアンドルー。二人は何気なく参加した実験によりESP能力者となった。表向き「取るに足らない臨床実験」であったはずのそれを管轄したのは<店(ザ・ショップ)>、CIAの下部組織の一つ(の様だが詳細…

 スティーブン・キング独断的傑作選 〜 誰にでもおすすめVer. 〜

『死のロングウォーク』 リチャード・パックマン名義で執筆された作品。舞台はおそらく近未来、我々の世界とは少しだけ歴史が違うアメリカ。100人の少年達が参加する競技の名前はロングウォーク、昼も夜もただひたすらに歩くだけ。ただし立ち止まることは…

 「とんでもなくロクでもない運命」の紡ぎ手 スティーブン・キング

スティーブン・キングなる人物の名前を聴いたことがあるという人に比べて、彼の小説を読んだことがあるという人はそれほど多くないようだ。キング原作の映画、スタンドバイミー(時々タイトルの解釈で喧嘩が起こる)やショーシャンクの空に(刑務所のリタ・…

 スティーブン・キング 『スタンド』

前半はあんなに面白かったのに後半がぐたぐた。キングの駄作のパターンである。もしかするとキングという人は超自然的な存在を超自然的なものとして描けない人なのかもしれない。つまりそれが当初、どんなに謎めいた、あるいは神秘的な意識体として作中に表…

 スタンド

文庫版第三巻が一向に発売されないので友人からハードカバーの上下巻を借りた。ハロルドが悪いことをしそうな予感。

 スティーブン・キング『不眠症(上・下)』

ダークタワーシリーズの外縁に位置する(ことだけが存在意義の)トンデモ小説。不眠症に悩む70歳のおじいさまが主人公という時点でまず冗談。序盤は彼の悩みと愚痴が延々と続くので一体何の話をしているのかわからなくて困るし、不眠症の度が過ぎた彼がい…

 スタンド第2巻

あれよあれよとアメリカは壊滅してしまったので生き残った人々はそれぞれ生存の道を探す。この辺りは『怪奇植物トリフィドの侵略』にそっくりだなあ。ダークデュードなる闇の男がいよいよ本格的に活動開始。あいかわらず善なる神は見えないけれど、悪の神は…

 『スタンド』 読み始め

キングの最高傑作と名高いシリーズなのに今まで手を付けてこなかった作品。序盤は『アンドロメダ病原体』みたいな展開だ。それが全米に広がった点だけがアンドロメダとの相違点で、キングらしいところではある。まだまだ読み始めたばかりだけれど、ザ・ショ…

 スティーブン・キング『トム・ゴードンに恋した少女』

家族でハイキングに来た9歳のパトリシアは、トイレ場所を探してうっかり森にまよいこんだ。 …という状況から始まる、キングお得意の、ささいな出来事が積み重なって巨大なトラブルへと膨れあがる、逆コメディ的ストーリー。彼はホラー作家と言われるが、彼…

 スティーブン・キング『アトランティスのこころ』

ああやっぱりこれ、キングの最高傑作だ。 キングの”リアル”は、残酷という言葉とイコールで結ばれる人の世の現実だけれど、彼の場合それをただグロテスクに描くだけでは終わらない。チープな舞台装置の上に無意味で寂しい人々の物語を紡ぎながら、そのくせも…