シンフォニックレインの思い出2
僕がシンフォニックレインの犯人さがしにこだわったのは、それがあんまり哀しい話だったから、どこかに誰かの間違いがあるはずだと思ったからだった。
誰かがどこかで手違いをしたので、結果があのようなおかしなことになったのだと、信じたかった。
今はだいぶ時間が経って、気持ちも落ち着いたので、あるいはそうでもないんじゃないかと思うことができる。誰も悪くなかったし、なにも間違ってなかったけれども、あんなことになった。
これはたぶんずっと事実に近くて、なので、ずっとつらくて厳しい受け止め方になる。だからやっぱり、シンフォニックレインは、あんまり哀しい話だ。
同じ年に生まれた男の子と、双子の女の子達は、家が近いせいもあって、自然に家族ぐるみのつきあいをするようになった。
男の子にはフォルテールの才能がたまたまあって、双子の妹には歌の才能があった。
しかし姉には、特に何もなかった