ひさびさに雨の街の話。
- 出版社/メーカー: 工画堂スタジオ
- 発売日: 2007/11/22
- メディア: DVD
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主人公は特殊な楽器の演奏能力がある少年で、双子は一卵性双生児。
妹は歌が上手い。姉は別段何も。
同じ年に生まれた男の子と、双子の女の子達は、 家が近いせいもあって、自然に家族ぐるみのつきあいをするようになった。 男の子にはフォルテールの才能がたまたまあって、双子の妹には歌の才能があった。 しかし姉には、特に何もなかった。
大方の予想を裏切って、能なしの方の姉とつきあい始めた主人公。
恋人の妹と共に、故郷を離れた街の音楽学校に通っているけれど、どこか生気がない。
卒業演奏まであと数ヶ月。卒検の条件である歌手パートナーを見つけ、卒業できるのか?
あと、なぜか部屋に歌の妖精が住んでる。街にはずっと雨が降ってる。
——というのがゲーム開始時点で明かされるストーリーと目的です。うそだよー
ずっと寝ていても卒業できます。むしろ何もしない方が何も悩まずに済むかも。
こっそりインターネットランキング対応してる、音ゲー風味紙芝居だったりします。
L4Uが得意な人はいかがでしょう。そうそう、岡崎律子さんの遺作です。
★ここから下は大絶賛ネタバレなので読みたくない人は読まない。
,。、_,。、 .く/!j´⌒ヾゝ ん'ィハ ハ ハ j'〉 ゝ∩ ^ヮ゚ノ) う〜〜わっはい! .人`rォt、 f'くん'i〉) `し'
【作中で明かされる事実】 ・姉は主人公が音楽学校に旅立つ直前に交通事故で意識不明になったきり ・主人公はこの事故の目撃者だが、記憶から消している ・妹は姉に偽装して手紙を書く他、時折主人公の前に現れ世話を焼いている ・街に降り続いている雨は全て主人公の見る幻覚 ・部屋に妖精がいるなんておかしいだろJK ・妹も主人公のことが好き ・彼も妹のことが好き ・主人公はこれら全てに気づかないことに決めている
主人公の精神安定のため、彼が落ち着くまで彼の恋人の話を蒸し返さない目的で、
双子の妹は自分の恋敵である姉の偽装をすることになる。ややこしい。
勘の鋭い方ならお気づきかも知れませんが、本作は一人称でのナラティブです。
つまり語り手の意識していないこと、あるいは意識したくないことは語られない。
妹の結末では、姉は最終的に死亡し、葬式のシーンで物語は幕を閉じる。
逆に、姉の結末では、奇跡的に姉は意識を取り戻し、主人公と幸せに暮らす。
さて、あなたは何を信じる? あるいは何を信じない?
物語序盤、何の脈絡もなく問われる(展開にも影響しない)質問に通じる主題。
ちょっと凄い作品なので、よかったら遊んでご意見を聞かせてください。
他にも色々あるので、たぶん損はしないかと。中原麻衣の演技、極上です。