true tears(アニメ)紹介 8〜9話

 捻り込みだ。この三連編でtrue tearsは富山のエースになったんだ。怒濤のクライマックス前編・中編。物語に、そして三人の関係性に一応の決着が付き始めるラインであり、同時に、最後まで恐るべき謎の残されるラインでもある。何にせよ見なければ始まらない。さあ!


episode8 雪が降っていない街



 「私、ここに来ちゃいけなかった。ここに来たのが間違いだった。今まで、ごめんなさい」



 「お婆ちゃん、私、見つけたの。とってもとっても大切な人」 独白する乃絵。純は動揺しながらも、妹を祝福する。乃絵のこと、比呂美のこと、思い出しながら自分は何をやっているのだと自嘲する眞一郎。三代吉に愛子の店に誘われた眞一郎は、乃絵とデートすると告げる。飼育小屋でニワトリを抱く乃絵を見つける。乃絵と帰宅する眞一郎。二人の姿を見かけ、彼らは付き合っているのかと尋ねる朋与に、「みたいね」と比呂美は答える。突堤を訪れる乃絵と眞一郎。乃絵は元気のない眞一郎を抱きしめ、彼にいつも空をみていて欲しいと告げる。かわりに眞一郎は彼女に、自分の描き始めた雷轟丸の物語を語り始める。乃絵は喜び、これが眞一郎の翼になると約束する。「私、どんどん眞一郎が好きになっていくわ。もっと好きになっていい?」 比呂美は乃絵と眞一郎の夢を見てうなされ、洗面所で彼に嫌みを言う。家を出る比呂美を父親が呼び止め、彼女の仕草が彼女の母親にそっくりだと語る。黙って退出した比呂美に、眞一郎の母親はまた辛くあたる。公園で純に行きたい場所を尋ねられた比呂美は、雪の降っていない街へ行きたいと言う。追い詰められた彼女に気付いた純は、比呂美をバスケットコートに誘う。シュートが成功した回数だけ、正直に互いの質問に答え合う勝負を提案する純。比呂美は彼にセンターラインからのハンデを課す。「乃絵の付き合った男の数」を尋ねる比呂美に、純はゼロだと答える。乃絵の過去と今について語る純を、比呂美はシスコンと呼ぶ。飼育小屋にいた乃絵と眞一郎と、コートから出てきた純と比呂美は出くわし、それぞれに話し合う。乃絵に嫌みを言った比呂美は、自分が眞一郎の母親と同じことをしていることに嫌悪感を覚える。帰宅した比呂美は、眞一郎の母親に本音を語り、家を飛び出す。乃絵の家を訪れた比呂美は、純に「雪が降っていない街」に連れて行くように求める。連れだって帰宅する乃絵と眞一郎は、バイクで走っていく二人の姿を目撃する。



Veohのコメント欄から抜粋した外国人コメント

 ねえ、誰も乃絵に「ニワトリは飛ばない」ことについて説明した人はいないの? スクールデイズを見たときは僕はほんと落ち込んだよ。


 彼が誠みたいな振る舞いをしないかぎり、true tearsはあんな風に終わらないよ。


 僕もそうじゃないことを祈る。スクールデイズは僕がこれまで見た中で、一番僕を当惑させたアニメだった。何日かの間、僕はよく眠ることさえできなかったんだ。


 スクールデイズと同じ結末だけは止めて! もうあんなの見たくないの!


 乃絵は本当に可愛い。大好きだな。・・・次回でどんな事件が起こるかわかんないけど、どうか変な方向に進まないで!


 重い、重いよ。このお話は明るくならないの? 僕はこのストーリーが好きだけど、同時に嫌いだ。


 ワーオ。次回は修羅場かな? ワクワクする!


 なあ、俺はこのシリーズを愛してるよ。このアニメで展開される心理戦は、CIAだってやったことないレベルだよ・・・。彼らがきっと見せてくれる、次回の人間悲劇が待ち遠しい。


 かつて好きだった雪、好きだけど嫌いな雪、その雪をもう見たくないと語るようになった比呂美を、連れ出そうとする純。ここまで見てきた視聴者は、彼の抱える動機と、だからこそ彼が比呂美に注ぐ愛情の意味に、気づき始めるのではないだろうか。月並み過ぎる言い方にはなるけれど、彼はとてもとても・・・。



episode9 なかなか飛べないね…




 「眞一郎、あなたは飛べるの。自分でわかってないだけ。でも、そうね。あなたの飛ぶところは、ここじゃない」



 純のバイクは峠道の雪にタイヤを取られて転倒し、炎上する。眞一郎の母は比呂美の行方を心配し、父親を振り切って捜索に出かける。炎上するバイクを前に、地に足の付かない話をする比呂美と純。まもなく眞一郎と乃絵の乗ったタクシーが到着する。比呂美を抱きしめ、よかったと一言呟く眞一郎に、比呂美は泣きながら謝罪する。乃絵は二人の姿を見て動揺する。帰宅した比呂美の手を引く母親を制止しようとする眞一郎だが、父親はそうさせるべきだと語る。「比呂美の話は本当なのか」と食ってかかる眞一郎を父親は張り、そんなわけはないと断言する。比呂美の部屋では、母親が彼女の着替えを手伝う。「そんなこと、あるわけないじゃない」と言う母親。心配して飛び込んだ眞一郎を、比呂美はこれから着替えるからと追い出す。雷轟丸の物語を書き進める眞一郎。絵本の中でいつまでも飛ぶことを躊躇う雷轟丸に自分を擬え、俺はやっぱり飛べそうにないと独白する眞一郎。比呂美の事故は学校の知るところとなり、彼女は停学1週間を命じられる。飼育小屋の前に立ち、以前眞一郎が石で書いた「好き」の文字を捜そうとする乃絵。しかし降り積もった雪が、それを見いだすことを許さなかった。下世話な興味を持つ同級生と喧嘩をする眞一郎。だが、それを制止したのは三代吉と乃絵だった。飼育小屋を訪れ、乃絵と話す眞一郎。「湯浅比呂美のために喧嘩したのか」と聞かれ、肯定する眞一郎。校長室で「彼女は私たちの子です」と話す母親を見て、比呂美は何かを感じる。眞一郎と乃絵は、二人が涙について語り合った突堤を訪れ、絵本を読む。「雷轟丸、なかなか飛べないね」 雷轟丸は自分が本当は飛べないことを知っているのだという眞一郎の言葉に、乃絵は、それは眞一郎自身のことかと尋ねる。乃絵は絵本を眞一郎に返し、別れの言葉を口にする。帰宅した眞一郎に比呂美はアイスを勧め、母親との会話を回想しながら、半ば独白のように呟く。「私、馬鹿みたい。心配してくれてありがとう」。



Veohのコメント欄から抜粋した外国人コメント

 どうして眞一郎はまるで犬みたいに首の回りにベルトを巻いてるんだ? 彼は誰のペットにもなるべきじゃないし、特に乃絵のペットには。


 おい、俺は事故が起こるんじゃないかって前に心配していたんだが・・・(笑) しかしもしこのお話がこのままスクールデイズみたいになるんなら、俺は乃絵が社会病質者的殺人鬼になる方に賭けるぜ。冗談だけど。


 よかった、お母さんはもう嫌な人じゃなくなったんだね^^ このお話はとっても素敵に終わりそう、私はそう願うの。ただ、私は乃絵との結末が見たいんだけどなあ・・・なんか、眞一郎は比呂美と引っ付いちゃいそうに見えない?


 何もかもが崩れていくよ・・・


 やっったああ、間違いの恋じゃなかった。あれは嘘だったんだ。


 なんてこった、一人目が退場した! 俺は・・・俺は・・・ああ、混乱している・・・一体何が起こっているんだ? 俺はここでまさに何を感じるべきなのか、本当に分かってるんだろうか・・・。畜生、これは素晴らしいシリーズだ。


 僕にはこの回が本当に引っかかる。次回の比呂美の突然の行動は、9話にその原因があるように思えてならない。比呂美の「私、馬鹿だった」という台詞、それが素直なものなのかどうか、僕にはどうも分からないのだ。むしろ彼女は、9話を通して語られた、彼女の出生の秘密の否定、その裏にある真相に気付き、今度こそ本当に諦めようとしたのではないか、そんな風にさえ邪推してしまう。悪い癖だとはよく分かっているつもりではあるのだが。


 真相を知る手段がどこにもない以上、我々は語られたことを信じるほかないのだけれど、「嘘だというのが嘘だった」と考えることは、案外、今後の比呂美の不可解な行動に関する解釈、そのための一つの筋道を与えてくれるように僕は感じる。10話以降の彼女の振る舞いは、勝利者としては明らかに追い詰められ過ぎている(ように僕には見える)し、なによりも結局、両親としては「そんなのは嘘だ」としか言いようがないのだ。つまり、その可能性が否定されないこと、あるいは誰にも分からないこと、それ自体が9話以降、比呂美にとっての負い目となって行ったのではないか。真相は最後までわからないのだが。


true tears vol.5 [DVD]

true tears vol.5 [DVD]

10話のあらすじ
6話〜7話のあらすじ