true tears(アニメ) キャラクター紹介
やっぱり、これがないと始まらない。
石動乃絵(Isurugi Noe)
本編の主人公。祖母の死以来無くしてしまった涙を取り戻すため仲上眞一郎を選ぶ。眞一郎への想いを踏み越え、比肩するもののない威厳を示した。その歪みない信念は、だらしない展開に転落しがちな学園修羅場ものを最後までグイグイと引き締める。名セリフの宝庫。むしろ口を開けば名セリフという説もある。
湯浅比呂美(Yuasa Hiromi)
仲上眞一郎とは幼なじみの関係。彼のことを想っている。両親をなくし眞一郎の実家に引き取られた際、出生の秘密を知る。眞一郎への想いを封印すべく葛藤するが・・・。苦境に耐え、活路を開くためのトレーニングには余念がない。最終的には物語をルールするかに見えるほどの成長を見せるものの、乃絵に主役を譲る。「彼女は私です」のロックな台詞を残す。
仲上眞一郎(Nakagami Shinichirou)
仲上酒造の跡取り息子。湯浅比呂美のことを想い続けているが、彼女の変貌に驚き戸惑う。差配の腕は父譲りで、言いよる女の子全てに適当な男をあてがう。物語の95%まで状況に流されるものの、話を聞き流す技術を会得して男を上げた。優柔不断系恋愛原子核としては破格の嫌われ耐性を持つ。「俺は比呂美が好きだ。でも、お前を見ると心が震える」。
ブックマークコメントにもあったけれど、エロゲのアニメ化という意味で、現段階で『true tears』の右に出る作品はないと思う。『AIR』や『君が望む永遠』、あるいは『School Days』への映像面での言及はしばしば語られているし、それ以上に、ノベルゲームの一つの到達点、複数シナリオのパラレルな展開と統合の成功は、特筆に値する。
いや、まんまエロゲだ! というのが視聴者の正直な感想だろう。それはヒロイン達の設定であり、友人関係の配置であり、並列に発生する複数のフラグ、また逐一潰されていく伏線、恋愛関係と価値観が同時に衝突するクライマックス・・・・・・。true tearsが見せてくれるものはまさにエロゲのエッセンスに他ならない。面白い!
逆に、エロゲを手に取ったことのない視聴者も、このアニメを通してエロゲの魅力を理解できる。少なくとも僕がエロゲに期待する空気は、true tearsの描くそれと同質のものだ。いや信じられないのだ。こういう作品が突如発生すること、そしてそれが当たり前のように消費されてしまうこと。日本アニメのポテンシャルは気違いじみている。
相互にリファレンスすることを躊躇しない文化は楽しい。健やかなパロディ精神。誰かと語り合いたくなる。true tears自体が関係性そのものなのだから、当然といえば当然なのだけれど。最大級の賛辞を贈る。それは日本酒を美味しく飲ませるアニメで、どこに出しても恥ずかしくない。