シンフォニック=レインは酷い話です

 

工画堂スタジオ シンフォニック=レイン 普及版

工画堂スタジオ シンフォニック=レイン 普及版


 僕が全力でプッシュする作品の一つ、シンフォニックレイン
今回はそのED曲の紹介を通して、本作が静かに湛える雰囲気を伝えようと思います。
歌い手は岡崎律子。本作は図らずも、彼女の遺作となりました。


 シンフォニックレインは酷い話です。
恐らく、この美しい曲を聴いた全ての人がそれを予感するでしょう。
そして、間違ってはいません。これは酷くつらい、悲しい話です。
その事実に、どのような意味づけをするかは、読者に任されることになります。


涙がほおを流れても

    http://www.nicovideo.jp/watch/sm725763


 シンフォニックレインのED曲。
本作を生み出した人々が、この作品の孕む問いに与えた答え。
OPにおいてあやふやに語られる希望、その具体についての明確な提示。
それが希望と言えるのかどうか、人により意見は分かれるでしょう。
僕は、これを希望だと考えます。むしろ、他に手はないと。



空の向こうに

    http://www.nicovideo.jp/watch/sm16735


 唐突なオーケストラヒットから始まるシンフォニックレインOP曲。
ED曲「涙がほおを流れても」と裏表を成す主題提示部分であり、
作品が折り返しに入る「彼女の物語」冒頭でこれが鳴り響く時
この歌に隠された意味に、読者は世界が裏返る程の激しい衝撃を受けることになります。
同じ歌詞、同じメロディ。それが全く別の意味や姿を見せる。
この体験は本作を味わった人だけが得られるスリルとなるでしょう。


 いつかこの胸に降り注ぐ光はあると思う?