『シンフォニック・レイン』への誘い
- 出版社/メーカー: 工画堂スタジオ
- 発売日: 2007/11/22
- メディア: DVD
- 購入: 5人 クリック: 104回
- この商品を含むブログ (28件) を見る
どうしようもない事実が最初にあって、いくら考えても既に手遅れ。
なのにその時、ある奇跡が起こる。でも、それを信じられる? という話です。
「涙がほおを流れてもpiano」を聞いていたらちょっとホロリとしたので今さら推薦。
行き届いたキャラクター紹介
【主演】
- クリス
本作の主人公。いろいろとやらかしてくれてます。
故郷の街を離れて寄宿しながら音楽学校で学ぶ。
まるで日本の無気力大学生のような人。
遠距離恋愛中だけれどあれこれやる気がない。
間違いなく地獄行き。
- トルタ
トルティニタ・フィーネ。双子の妹です。
クリスと一緒に三年制の音楽学校に通っている。
一番やりたいことをやってるんですが、
一番やっちゃいけないことだって自分で思ってるので地獄行き。
黒春香とかそういうレベルじゃねー。ウヒョー
- アル
アリエッタ・フィーネ。双子の姉で、クリスの彼女。
遠くに居すぎてクリスには言葉でしか影響を与えられない。
作中で2番目の嘘つきなので地獄行き。
- フォーニ
自称歌の妖精。クリスにしか見えないし、
クリスにしか聞こえない。夢野すみれさんみたいな子。
作中の奇跡を巡る人? の1人。空気みたいな存在。
エンディングでこっそりネタバレする。
歌の妖精に地獄があるのかは誰も知らない。
- ファル
ファルシータ・フォーセット。クリスたちの同級生。
何でもそつなくこなす元生徒会会長。
作中一番の萌えキャラ。一人目は彼女を選んでおけば
シンフォニックレインがどんな話か分かる(笑)
暗黒面に堕ちた某蒼い鳥とでもいうべきか。
- リセ
リセルシア・チェザリーニ。
学校のパトロンの一人でもある街の名門貴族の娘。
作中一番のオタクイーター。パートナーに彼女を選ぶと
萌え画像と共にトルタの嫌がらせが聞ける。
ゆきぽみたいな子。
【助演】
- アーシノ
学校におけるクリスのたった1人の友人。
学業以外はほぼ引きこもってカラオケにも来ないクリスを構ってくれる。
実にいい奴。いい奴だが役に立たない人。
- コーデル
クリスの指導教員。実にいい人。いい奴だが役に立たない人の1人。
本作でいい人は役に立ちません。嫌なゲームです。
- ニンナ
トルタとアルの祖母。いい人でキーパーソン。
キーパーソンだが役に立たない人の1人。
本作でいい人は役に立ちません。困ったゲームです。
- グラーヴェ
特別指導でやって来る先生。嫌な人。
何だか意味深な警句を吐きまくるが役に立たない。
本作ではお説教してくれる人も役に立ちません。
あいにく教養小説ではないらしい。
何となくな解説
- ゴタゴタいうのはもう止しましょう。トルタが可愛いですよ。トルタかわいい。
うそです * * ,。、_,。、 * * く/!j´⌒ヾゝ nん'ィハハハj'〉n + (ヨゝノ゚ ヮ゚ノノ E) Y Y *
背景は非常にシンプルですが、一人称で語ることで隠蔽しています。ま、そっくりな双子だの、できすぎた生徒会長だの、裏を読む人なら設定を聞いただけでピーンと来るでしょうね。間違っちゃいません。たぶん全部正解です。
たーだし、このゲームは、それら設定を解き明かすこと自体を目的としたゲームではないんです。たぶん。設定が全部明らかになった時初めて、じゃあなんなの? について考えることができる。むしろ考えてもいい。
物語序盤、妙な存在感を持って唐突に登場する設問、「神様って信じてる?」が、おそらく本作の根幹。この設問、ゲーム攻略には何の影響も与えません。だからこの質問は、本質的にプレーヤーに対して行われたもの。
例えば神学って、あれ信じてる人あんまりいないと思うんですが、極端なことを言えば「善であり完全であり全知全能の神様はいる」という前提に立てば、そこから引き出される理屈を否定することはまあ不可能ですよね。
理路整然と説明されるどんな事実にも、実は前提がある。本作の扱う内容のある側面は、この事実に言及します。実に悠長な内容のゲームです。日本の暇な大学生に向いております。どうですかね。中古なら安いんじゃないでしょうか。