2006-03-19から1日間の記事一覧

 メルロ・ポンティ

メルロ・ポンティ (Century Books―人と思想)作者: 村上隆夫出版社/メーカー: 清水書院発売日: 1992/06メディア: 新書購入: 1人 この商品を含むブログ (3件) を見る私たちが肉体を持って世界の中に位置するために、世界はいつも私たちの前にパースペクティブ…

 メルロ・ポンティとADV

メルローさんはデジタルノベルのご先祖さんだと思います。①いつも自分が見えない②常に間違い得る③失敗してもめげず再開しましょう(④最後まで行ってもオチが着いてるとは限らない)。彼に開発キットを与えたらさぞかし素敵なお話を書いてくれたのではないか…

 メルロ・ポンティとADV 2

謎は、私の体が「見るもの」であると同時に「見えるもの」だという点にある 私が視線をもって世界を眺めることで、世界は私の前に遠近法的展望を持って現れるが、その視線によって目の前に現れた世界は、同時に視点のありか、すなわち見えない私そのものが、…

 メルロ・ポンティとADV 3

幼児が社会的な対人関係を結んでいく過程は、けして「もともと孤独な自己が他者との間に架け橋を結んでいく」というようなものではない。むしろ逆で、自己と他者との区別を持たない未分化で融合した幼児の意識が、そこに少しずつ差異を見出して行くことで分…

 メルロ・ポンティとADV 4

幼児は鏡像の中に自己の反映を発見することによって、自己反省を可能とするが、鏡像を通して自己自身の理想像を見出すことは、自己とは違う自己の発見に他ならず、それは同時に自己の明かな発見でもある。また鏡像は「見るもの」としての自分の体が「見える…

 メルロ・ポンティとADV 5

それは「ノアの方舟が生き物たちを洪水から守ったようにすべての個別的な存在者を無に沈みこませないように高く支えている大地」としての原-方舟(Ur-Arche)である コペルニクスの地動説により、宇宙の中心としての大地という概念は世界から失われた。それ…