メルロ・ポンティとADV 4

幼児は鏡像の中に自己の反映を発見することによって、自己反省を可能とするが、鏡像を通して自己自身の理想像を見出すことは、自己とは違う自己の発見に他ならず、それは同時に自己の明かな発見でもある。また鏡像は「見るもの」としての自分の体が「見えるもの」でもあることを示し、自己自身のうちに分裂を引き起こす。ぼんやりとした衝動そのものであった「原初の統一」は自己の視像により失われ、この分裂が自己とそうでないものとの隔たりを明確にする。