月がきれい最終回を見て


 まず感謝を伝えたい。こんなに魅力的なキャラクターたちについて、こんなに愛すべき物語について、こんなに素敵な3ヶ月について。得がたい。得がたい時間でした。

 誰もが経験したような、してないような、水色時代の思い出。絶妙なファンタジーだと思う。作品が内包する様々なリアリティの核心に存在する、小太郎というファンタジー。あんな文芸少年はたぶん存在しない。しないけれど、してほしい。

 予定調和。第1話に唐突に挿入された「ハッピーエンド」の文字が、どれだけ試聴に平穏を与えたか。ぶれない姿勢がもたらしてくれる、本筋への没入感。よかった。ジェットコースターは事故らないことを前提にした遊具だ。おっさんにも優しい。

 国語の時間。この物語が僕に(そしてあるいは、きっと、多くの視聴者に)与えてくれたもの。登場人物たちのこころについて考えること、作者の気持ちについて考えること、そして、自分がどうしてそう思ったかについて考えること。そういったプロセス自体が本来持っている幸せについて、この作品は伝えてくれた。

 そして茜が可愛い。うちの妻よりちょっと可愛い。


 本当にありがとうございました。