さくらむすび 可憐

可憐
可愛い後輩。なんだかんだでやっぱり子供なのではあるけれど、そんな事はこの際どうでも良く、問題となってくるのは彼女のルートの持つ意味。彼女の結末は誰が見てもとても際どい。そして少なくとも、ある重大な疑問を残したまま終わる。化け物。誰かが何かから目をそらし、その意味を考えなくなったときに現れる、とても強く恐ろしいもの。向き合わなければ消えず、見つめない限り存在し続けるまぼろし。「この物語は比喩を含む」と、それ自身何度も告げるこの物語が、そこに無自覚なはずはない。可憐の物語では、主人公が最後の疑問と向き合うことはなかった。であれば。


ここまで読んだ時点では、とても自覚的な作品であるように思えます。そして、とてもシビアな物語であるようにも。