『月がきれい』 小太郎さんの名セリフを知らないのかよ

 7話でいきなり覚醒したかのように語られがちな小太郎ですが、いやいや前からすごかった。ほとんどチート主人公です。ギャルゲーの選択肢ネットで正解調べたレベル。ピックアップしましょう。


【2話】 芋を見つけて励ます

 マスコットを落として組別リレーで失敗、比良には的外れな励ましを受けた上、クールガールズグループにはトイレで笑われ、すっかり落ち込んだ茜を励ますシーン。

 「あーよかったーあたしこれがないと緊張して、でもほら今日失敗しちゃって、人に見られるの苦手なんだ。ほんとハズいんだけど、でもやっぱ走んの好きで。ほんとダメだよねあたし。」

 「水野さんはそのままでいい、と思う」

 我が意を得たり! すごいですね。安心すると脈絡なくマシンガントークする茜の話の要点を掴んで端的にお返事。ルート入りました。比良の励ましとの対比が憎い演出。

参考:比良くんの励まし

「大会じゃなくてよかったな!」


【3話】月がきれいですねタイトル回収

 「ほんと、月、きれい」
 「つき」と言いかけたら月がきれいですねを先に言われてしまう文学主人公。からの

 「付き、合って」


 一体視聴者の誰が、3話にして主人公が告白すると思っていたでしょうか? 冗談めかした言い訳のきく「月がきれいですね」からど直球「付き合って」への鮮やかな転身。万事切り替えていく小太郎の対応力は来る波乱の時代のビジネスマンにも必要とされるでしょう。実際3話のラストシーンは月がきれい屈指の名シーンだと思われます。


【4話】「それって、返事?」

 「付き合うって、よくわかんないし、少し待って、返事」

 告白の返事が来ないので小太郎から自由時間のお誘い。投げたボールが帰ってこないときはこちらから追加のアクションをしましょう。来たるべき新時代のビジネスマンにも不可欠の姿勢です。なお待ち合わせ場所は京都土井丸。大丸ですね。入り口が四条通側に2カ所、東側に1カ所、反対の北側に1カ所ありますので携帯なしで待ち合わせと聞いた瞬間「あっ・・・(察し)」となります。案の定すれ違った茜と小太郎。


 「遅いし」「ごめん」

 「勝手に待ち合わせ決めて、行ったらいないし。雨降ってくるし、携帯つながらないし」

 「ごめん、携帯先生に取られた」

 「なんで千夏の携帯? 仲良いよね、なんか」「たまたま・・・」「なんか・・・」「なに?」

「なんでもない! わかんない! わかんないけど・・・。ぜんぜん話せないし」「うん」


 「もっと・・・喋りたい。安曇くんと」



 「それって、返事?」

 「うん・・・」

 ここ! ここです。「それって、返事?」。小太郎の真骨頂!
 もしここで、「それって、どういう意味?」とか言ってたら、きっと「もういい!」とか言われて帰られちゃったでしょう(茜はおなかが減っていて不機嫌です!)。一方で、延々と「ごめん」だけを言い続けていても告白の返事を貰うまではこぎ着けられなかったでしょう。癇癪を起こした同級生の女の子の振る舞いを絶妙にコントロールしています。中学生男子の対処とは思えません。やっぱチートじゃね?


【5話】小太郎さん恰好よすぎて千夏まで引っかける
 クラスの目が気になって学校で話せない二人。スランプ気味の茜はまわりから比良とくっつけられそうになってストレス。図書館デートは千夏の乱入でオジャンに。

 「水野さんも塾・・・」「行かない!」 珍しく選択肢失敗。


 さりげなく道路側に回って千夏の好感度を上げてしまう・・・。

 「あー、なんかもう・・・」。早くも破局の危機。知り合いのお兄さんに渡りを付けて貰って茜と二人っきりに持ち込みます。難しい交渉相手を自分の土俵にあげるフットワーク、来たるべき騒乱の時代のビジネスマンにも学ばれるべきです。

 「二人で話したかった」「学校だと、無理じゃん、せっかく、付き合ったのに。」

 茜の気持ちを代弁してしまう小太郎かっこよすぎ濡れちゃう。


 「水野さんが走るとこ」「えっ」「すごい・・・すごい俺、好きっていうか」

 「・・・ありがとう」

 「見に行こうかな」「えっ?」「応援。」「嫌なら・・・」「嫌じゃ、なくて・・・」











 キャー。ほーら見ろ小太郎さんっていつだって決断的行動力でぐいぐい行く子なんですよ。7話の切れ味がすごすぎただけで前々からアニメの鈍感系主人公とは一線を画しているのです。でも7話はすごかった。実際すごかった。あんな主人公見たことないもん。ね。


参考:比良くんの励まし

 「いろいろあんの?」「まあいいけど・・・」

安心感

 比良くんの時とは違ってザックを降ろしてます。