なぜシンデレラガールズはアイマスなのか(僕にとって)

■コミュがやたらむずかしい
 むしろコミュこわい! アイマスのコミュはこわい! なにがって正解がほんとわかんない! 春香さんだけはまだわりと常識的な範囲で想像の余地があるけどほかはダメ! あいつら気分で生きすぎ!! それぞれわかんなさの方向性というか傾向はあるにしても全体的に安定しない! コミュで正解を出し続けるのは不可能に近いぞ。武内Pは良くやってるほう。


■オデ送りマシーンと化したP
 コミュ成功するとボムが貯まってアイドルのテンションが上がるんだけど失敗するとボムは貯まらないわ翌週以降までオーディションの点数に響くわ酷くののしられるわでさんざん。アイマスって限られた期間内でどんだけファンを稼げるかみたいなゲームだったから効果の不安定すぎるコミュはどんどん優先度が下がってしまいにオーディション送りマシーンになるぞ。ならぬ。連中と話してはならぬ。


■ライブ成功がすべて!
 構ってもなかなか上がらないわりに放っておいたらどんどん下がり、そのうち事務所に出てこなくなるどうにもならん連中のテンションをてっぺんまでぶっ飛ばすにはオーディション成功だ! ライブさえ成功し続けているかぎりコミュでどヘマここうが胸を揉み続けようが連中はハッピーだ! 失敗すると出てこなくなるけど次の週くらいにはスッキリした顔で出てくるぞ! クソ! レッスンしてオデ行ってこい!


■このことに気づくまでに出来損ないアイドルを生産するぞ
 うおおおおおおおゴメンよォォォォやよいィィィみたいな思い出がいくつか出来るぞ! 駆け出しで連中との会話のこわさも知らなければオーディションでの指示もさっぱりの頃は苦手意識からコミュばっかりしちゃうぞ。でもいくらコミュしてもファンは増えないから待っているのはアイドル引退の結末だ! なまじコミュしてたもんだから一緒に歩いてたみたいな感覚が生まれて喪失感はひとしお! 武内Pもトラウマのようすだ! わりと「せいせいする」みたいな捨て台詞を言われるぞ!


■育つのはプロデューサーだけだぞ
 アイドルとしてものになろうがならなかろうがいずれ連中はいなくなるぞ! はじめて贈ったアクセサリーとかお気に入りのステージ衣装とか、あと思い出だけ残して! 連中との一年はかけがえがなくて取り戻せない! だけどプロデューサーだけはいつも取り残されて、そうして、鼻をほじりながらでもトップアイドル量産できるようになるぞ。あんなに悩んだコミュとかすげえおざなりになって、テンションどん底のアイドルを平気でレッスン場に監禁したりするようになるぞ。なにもかもが作業になるんだ。見ているのはファン人数と、プロデュース期限までの残り日数だけ。ときおり脳裏に浮かぶのは、今担当しているアイドルの顔じゃなく、もう会えないあの子との思い出。



 『まっすぐ』って曲があってね、昔アイマスのエンディングテーマだったんだけど、全員をAランク以上に育てると、ちょっとだけ内容が変わるんだよ。

 僕はそのとき、すごく救われた気がした。なんだか許してもらえたのかなって安心して、泣きたくなった。

 アイマスってとても残酷な要素を持ったゲームだった。ダメならダメなりに、それなりの結末を用意してしまうゲームだった。これってある意味リアリティだよね。でもそんなリアルで当然の結末は嫌だから、なんとなく、ファンをかき集めることに夢中になる。

 テクニックはいろいろあって、だいたいどれくらいまでレッスンさせようとか、そろそろ人気減衰始まるからコミュはしないとか、この子スペック低いから高い子をバックに並べておこうとか、一番ファン増加数が多いオデ以外出さないとか、そういうことを無意識にやるようになって、きっと、プロデュースとしては正しいんだろうけど。

 作業的に全員分育て上げて、達成感というよりは疲労感の中で、ああ終わったなって何気なくテロップを見てたら、なんか言ってんですよ。あの子たちが。なんか言っててね・・・。



 アニメの武内Pも昔なんかやらかしたっぽい。いまなら僕は彼の気持ちわかるし、彼のやってたことも、僕があんなに『まっすぐ』に心を動かされたわけも、なるほどそういうことだったのかって腑に落ちる。だってそうなるもんアイマス。すごいよこのアニメ化。たぶん、アニマスよりアイマスしてる。

 だからね、なおさら、彼にとっての『まっすぐ』が、このアニメで見つかるといいな。アニマスの育てた土壌の上で、まさかのソシャゲの世界で、もう一度あのアイマスに再会できるだなんて、思ってもみなかったよ。

 ありがとう。