シンフォニック=レイン リセ編 降誕節+

物語は結末に向け、極めて淡々と進む。そこではあらゆる物事が、なぜか、あまりに薄ぼんやりとした印象を持たせる――数点の非常に印象的な出来事を除いて。このパートは一体、何だったのだろう? 見えるものの後ろに、埋没した何かはないだろうか? わからない。

■メモ

12/25 ”リセとアリエッタのことを考えていると、気付けば一日など、すぐに消え去った。” リセのことを好きになっている自分を鬱々と責め続けるクリス。アルからの手紙。「クリスは、クリスが正しいと思うことをしてください」 クリスにとって、何が正しいのか? 22時過ぎ、ケーキを持ったリセ来訪。昨日は足を怪我したらしい。アリエッタとの手紙のことからも考えるに、この世界には電話がないようだ。ひっくり返ったケーキを食べるリセのCGは素直に可愛い。屋敷の門前にてリセ、いつかの言葉を繰り返す。「私、歌っても良いんですか」「本当に?」 クリス、肯定する。

12/26 クリス、アルへの手紙を手に煩悶。フォーニ、昨日歌わせてくれなかったと怒る。「あーあー、ふう、なんか久しぶり」「そう、嫌味のつもり。私のことなんか忘れちゃってるクリスへのね」 クリスが忘れているのは誰? ”音は彼女と共にあり、歌は彼女の内側から発現するようだった” 後数ヶ月しか一緒にいられないかもしれない妖精と、歌って過ごそうと決意するクリス。”それは僕なりの、贖罪だったのかもしれない” アルのためにではなく、フォーニのためにフォルテールを捧げよう。

1/1 二度寝のクリス、フォーニの歌う懐かしい旋律を聴く。悲しそうな顔で手をさしのべるフォーニ。クリス、アルからの手紙を受けとる。…「嘘の優しさは、相手を傷つけるだけだって、クリスもちゃんと知ってたんだね」「だからクリス――あなたはあなたの、正しいと思うことをしてください」 アルはそうして、感謝と別れの言葉を告げる。「終わった? なら、歌を歌おうよ」「終わりの時は、必ず来るんだよ」「ならその時まで、楽しく歌っていたいと思うじゃない」「その時が来れば、わかるよ」

1/4 グラーヴェについて好意的に語るコーデル。21時過ぎ、リセ来訪。風邪を引いたとのこと。フォーニに聞かせられないことを残念に思いながら、フォルテールを弾くクリス、いつの間にかアンサンブルするフォーニ。「今夜の演奏は凄かったです。歌が聞こえてくるようでした」。聞こえない筈なのに? リセの歌は、いつもクリスとアンサンブルしている曲と似た雰囲気があったと言うフォーニ。「恋の歌?」 クリス、否定…なぜ?

1/8 クリス、アルのことを考える。「優しい顔をしてましたよ」。リセ、自分の歌の楽譜を作りたいと言う。原曲の楽譜はずっと前になくし、歌詞は彼女が勝手に付けたものとのこと。手紙来ず。「アルとはもう何も話せることがない」

1/9 歌えなくなったというリセ。「フォルテールを弾いてください」。包帯をさわろうとするクリスの手を振り切り、リセ逃げる。

1/12 第二講義室前。”なぜ歌えないのか。どうしてそう思うようになったのか” リセとグラーヴェ。「お前に何がわかる。黙っていろ、クリス・ヴェルティン」「なにしに来たんだ? お前はもう、講義を受ける資格を失っている」。「チェザリーニの名を継ぐ者が、君のような者と一緒にアンサンブルするなんて、信じられん」「しかも、魔力という資質があるにも関わらず、フォルテールを弾かずに歌など歌っているようでは」 君のような者の意味とは? (1)どうしようもない無名の音楽家 (2)それ以外の意味。「フォルテールを弾くのに、喉などいらないだろう」「フォルテール奏者には、究極的には足もいらないのだよ」 リセの出生について語るグラーヴェ。

「おまえとリセルシアとでは何もかもが違う。関わらない方が、身のためだ」「それはあなたに言われることではありませんね。自分で決めます」「どちらの身のためにならないか、私は言及した覚えはないが?」「まだ、リセになにかするつもりですか?」「必要があればな」。

クリス、リセを拾う。「お熱い二人の邪魔はできないもんね」「これは決定だから、クリスの意見は聞きません」。フォーニ拗ねる。「リセの歌、似てるなって思ったよ」「違うよ、クリスに似てるんだよ」! そう言えば、トルタも誰に似ているかは言わなかったような。リセの歌はアルではなく、クリスに似ている。その言葉の持つ意味は?


「クリス…さん。私はあなたのために、何ができるのでしょう」「僕は、君になにかして欲しい訳じゃない。君のためになにかがしたかっただけなんだ」


「僕達は、本当に望んだものを手に入れられたのだろうか」。フォーニが全く現れないことで悩むクリス。”フォーニへの気持ちは、リセや…過去にアリエッタに抱いていたものとは、全く違うものだった。””家族というのとも、親友というのとも違った。同居人というのが近そうだけれど、そんな浅い言葉で説明できるほど、軽いものではない””フォーニは、フォーニだった” それでも、もし彼女がこのまま現れなくなれば、彼女の存在そのものが、まるで幻のように消えてしまうのだろうか? いや、そういうものでもない。ただそれを証明できなくなるだけで、彼女はちゃんと存在していた。

「さっきは、別のことを考えていましたよね」。リセ、クリスを…。

1/19 クリス、リセと街を出ようかと悩む。「クリスさんは、どうしたいと思っているんですか?」「いつ言ってくれるかって、待っていたんですよ?」。その前に、あの楽譜を探して欲しいと言うリセ。彼女から楽譜を取り上げたのはグラーヴェ。出発前、行ってきますを言うクリスに、フォーニ現れる。どこか晴れやかな声で、「はい。行ってらっしゃい」「これでさよならだね」「リセは良い子だね。これなら、安心してクリスを任せられそう」リセが隣にいるために、口を挟めないクリス。そして「二人とも、仲良くね。ばいばい」

グラーヴェの書斎にて、楽譜を見つける二人。題名はエスク? 「それは私が作った曲だ。そして、私が人に贈った曲でもある」。リセに帰ってくるよう諭すグラーヴェ。「クリス・ヴェルティン。お前も聞かなければならない。リセルシアと共にいたいのならば、それは義務ですらある」。リセの出生の秘密その2。


「良い意味でも、悪い意味でも、その名前の持つ意味からは逃れることはできない」
「名前の持つ意味…それからはけして、逃れられないのだ」


1/20 家を出る前、かすかに羽音が? 原曲と今の歌は少し違うと言うクリス。二人が作った歌だから、違ったほうが良いというリセ。”でも、一つだけ直せるのなら、リセと作り上げたこの歌を、恋を歌う歌詞に変えられたら――””この歌は、愛を歌うにこそ相応しい”

トルティニタからの伝言。よくがんばったね。そして。

故郷の街。外は良い天気らしい。トルタ、見舞いに来る。
「でも、最後に一つだけ聞いても良い?」
「これって、贖罪のつもりなの?」
(誰に対しての?)

追加CGがとてつもなく素敵なので何もかも忘れてしまって良いような気になるが…
いよいよ、トルタパートへ。