落語

 にちにち天狗裁き

一年は365日しかないんだなあとつくづく思うこの頃。明日、明後日、明明後日をちょいちょいと繰り返すうちに一週間が過ぎ1ヵ月が過ぎ夏が過ぎて年が明け、気がついたら死んでるに違いない。毎日寝ればかならず次の日が来る。不思議なことですな。うちの…

 天狗裁き

「そんな面白い顔して、どんな夢みてたん?」 揺り起こす妻。夢なんか見てない、いや見てた、の口喧嘩が高じて死ぬ死なないの騒ぎに。驚いて飛び込んだのは隣家の男、わけを聞いて「アホなことで喧嘩すんな。ところで俺になら話せるやろ」。見てないものは見…

 たちきれ線香 再び

HDDの隅から桂米朝の『たちきれ線香』を発見。落語というものはこういう側面もあるのだということがよくよく分かる一品。心からお薦め。 「芸者遊びも結構どす、ただし遊びにお出で遊ばせ。一生懸命になって通うところではないと思います」 落としネタの説明…

 落語『たちきれ線香』

僕の最も好きな噺である。主人公は大店の若旦那、世間知らずのぼんぼんの倣い、初めて行った花街で、初心な芸子の小糸に惚れ込む。何せ若さの底なしで、明けても暮れても小糸小糸。流石に見かねた大旦那、相談された番頭の案は100日間の蔵住まい。手紙も…

 あらすじについて

落語は比較的ネタバレに寛容なジャンルかと思うけれど、下の文章はネタバレなので一応ご注意を。でも実際、笑い落ちならともかく、考え落ち系はあらすじを知っていた方がかえって、例えば演者の表現なんかに注目できて、楽しみが増すような気がする。このあ…