ブラボーの使い方(あるいはニコ厨のための)

 普段は正直「ないわー」とか思ってるくせに、感動したとき思わずコメントしてしまう不思議な台詞ブラボー。ニコニコでもしばしば叫ばれていますね。

 

 ご存じの通りイタリア語で、「優秀な」「立派な」「聞き分けの良い」とったニュアンスを持つ、ごく普通の形容詞。ちょっと難しい質問に正しく答えた生徒に対して先生が投げる程度には一般的です。

 綴りはbravo、Rを軽く巻き舌にしてブラーヴォと発音されますが、あまりしつこく巻き舌にすると南部出身の粗野な田舎っぺの無教養で下品で愚かな貧乏人の乱暴者だと思われるのでご注意。日常に「すんばらららっしぃッ」とか言ってる人がいたら気持ち悪いですよね。

 ところで、時々「ブラヴァー」あるいは「ブラーヴァ」なるコメントが混じっているのに気付いている人はいるでしょうか? これ、別に間違いとか別の単語っていうわけではなく、bravOが女性名詞にかかる時に、文法上の規則により、語尾がbravAに変化しているだけなんですね。言い換えれば、普段良く耳にするbravoは、何らかの男性名詞(例えば男性指揮者)に向けて使用されているわけです。

 

 なので、もし素晴らしいと思った対象が女性名詞、例えば女性奏者であった場合なんかは、臆することなくブラーヴァと言いましょう。男性だか女性だか分かんないときは周りの人の反応を見ておけばよろしい。映画なんかの感想としてはBravoのが無難だと思います。監督はだいたい男性ですし、そうでなくても映画自体が男性名詞だからです。

 まとめましょう。

Bravo!(ブラー↓ヴォ↑) 男性歌手、男性演者、他あらゆる男性名詞向け
Brava!(ブラー↓ヴァ↑) 女性歌手、女声演者、他あらゆる女性名詞向け

 なお、もっと興奮した人のために、以下のバリエーションも紹介します。

Bravissimo/a!(ブラヴィッ↑シモ/シマ) =最高に素晴らしい

 issimo/aはいわゆる絶対最上級、英語で言う-estです。「最高に〜」を意味し、付けたい時に付けたいものに付けることができる面白ワードです。日曜日お終いでまったくウンザリッシモという台詞は、日本語的にはどうあれ、イタリア語の文法に背いてはいません。

BRAVIIIIIIIIIIISSSIMOOOOOOOOOOOO!!11!!(ブラヴィィィィィィッシモォォォォォォォ)

 興奮しすぎたイタリア人が時々こうなります。ちょっと落ち着けと。


【おまけ】
 別の話になりますが、「とっても」の意味で僕らが親しんでいるジョジョ語、ディ・モールト(di moltoあるいはdimolto)は、それほど一般的な語法ではありません。大人しくイッシモだのイッシマだのイッシミッシミッシモだのを付けておいた方が通じます。