GUNSLINGER GIRL 登場人物メモ

今後はどうあれ、これまでのところGUNSLINGER GIRLは人物ドラマ。その人気は登場人物たちの魅力的な描写によるところが大きい。仕込みは充分、ストーリーがすぱーんと通れば中々の名作になると思います。作者の中の人は頑張ってください。

■世界設定
義体
サイボーグ。何らかの意味で障害を持つ少女たちを素材に、身体の各パーツを生体機械と交換することで、常人を凌駕する身体能力を与えた。主に社会福祉公社の元で国家的非合法任務に従事している。
社会福祉公社
表向きは障害者支援福祉の政府外郭団体とされているが、その実は非合法任務を請け負うイタリア政府の諜報系秘密組織。ダーティーな仕事も多い。フラテッロたちの職場。
フラテッロ
義体と担当官のペアの呼称。兄弟という意味のイタリア語だと言うが。


■登場人物
ジョゼ
本名ジョゼッフォ。ジャンの弟。ヘンリエッタを担当。実の妹を犯罪(クローチェ事件-詳細不明)により亡くしたトラウマから?、面影の似た?ヘンリエッタを義体の素材として選ぶ。ヘンリエッタを実の妹のように可愛がるが、彼が時折口にする贖罪じみたセリフには、どうやら彼自身クローチェ事件の真相に関わっていたふしもある。ジャンと共になかなか得体の知れない人物。
ヘンリエッタ
ジョゼの担当する義体。一家鏖殺事件の生き残り(詳細不明)。義体として選ばれて以来、ジョゼに一途な思慕を抱く。基本的に優秀な戦闘機械だが、ジョゼに危険が及ぶことを極度に嫌うゆえに時折暴走するなど、精神面で不安定。「もしあなたが手に入らないなら、いっそ私の手で…」と語る彼女の姿に、条件付けの抱える意外な盲点が仄めかされる。
ジャン
Johannesの変形であることは作中で言及済み。リコを担当。弟ジョゼとは反対に、義体リコを徹底的な道具として扱う。とは言えただ乱暴なものではないようで、精密機器を扱うが如し。公社の機密にかなり近い場所にいると考えられ、公私取り混ぜ様々な裏工作をしている模様。彼の目的、「復讐」とは一体なんなのか。予想されるクローチェ事件との関係とは。謎は尽きない。
リコ
ジャンが担当する義体。男性風の名を持つ。生来の身体障害により両親に疎まれ、義体素材に。朗らかで天然風の外見と裏腹に、義体として徹底的に”整備”されている。それはジャンの冷酷さ故なのか、それとも。
ラバロ
元大尉。軍への復帰を交換条件にジャンにスカウトされる。義体クラエスを担当するが、公社の方針(≒ジャンの方針)になじめず内部告発を試みるも、ジャンの手により(推測)抹殺される。おそらく「復讐」の内容を知っていたのも不味かったのだろう。軍人に似合わず趣味は読書。彼の部屋は書庫としてクラエスに引き継がれる。
クラエス
ラバロが担当した義体。現時点(四巻まで)では過去は不明。ラバロの死後、義体パーツの試験機として処理を免れる。ラバロの記憶は既に失ったが、今も彼との最後の約束通り、(殺人機械としての彼女の)封印である眼鏡をかけ続ける。趣味は読書。
マルコー
アンジェリカを担当。義体として現れたアンジェを実の娘のように熱心に愛する(それこそ恋人と別れるほどに)が、条件付けの副作用として彼女が記憶を失ったことに大きな衝撃を受け、以来アンジェリカに辛くあたる。それでも健気なアンジェは彼に微笑み続け、マルコーはさらなる自己嫌悪に沈むのだった。
アンジェリカ
マルコーの担当する義体。両親による保険金殺人未遂の被害者。最初の義体であり、最もガタが来るのが早かった。現在では作戦行動にも参加できず、入退院を繰り返す。かつての記憶はそのほとんどが失われているが、何かを失ったことには気付いている模様。マルコーと共に「ラバロが公社に残っていた場合」を地でいく不幸な二人。
ヒルシャー
トリエラを担当。鈍感で生真面目なドイツ人。元欧州刑事警察機構刑事。オランダでの殺人ムービーの捜査中、瀕死のトリエラを救出した本人(その後機構退職に至る詳細は不明)。教育熱心な父親としてトリエラに接するも、”複雑なお年頃”の前に難航。途方に暮れてクマのぬいぐるみを贈り続ける姿は微笑ましい。トリエラの王子様。
トリエラ
ヒルシャーの担当する義体。殺人ムービー(肉体を切り刻む違法ビデオ)の被害者。ヒルシャーに対する愛情を「洗脳のせいかも」と悩み、素直になれない自分の心に戸惑うあたり、鈍感&生真面目な彼の影響を強く受ける。初めてのプレゼントとしてくまのぬいぐるみを受け取った際、うっかり嬉しい顔を見せてしまった(推測)ため、以後延々とくまのぬいぐるみを贈られることに。
■敵方
フランコ・フランカ
男女二人組のテロリスト。ボンバーながら爆破には筋を通すのがポリシーらしい。トスカーナ潜伏中にヒルシャー・トリエラの奇襲を受けるも、ピノッキオとの連携で撃退、脱出に成功するなど、戦闘技術も並ではない。
ピノッキオ
クリスティアーノに拾われて(詳細不明)以来、彼の忠実な手先として働く少年暗殺者。義体との初顔合わせではトリエラをあっさり殴り倒すほどの凄腕。初めての”仕事”で無辜の少女を殺害したことがトラウマとなり、無意識にペースを狂わされるため「女の子は苦手だ」と呟く。
クリスティアーノ
ピノッキオを拾い、暗殺者として育てた男。優秀なフィクサー系テロリストだと思われる。なおピノキオのお爺さんことゼペット(Geppetto)は、ヨゼフ(Joseph)の変形。Josephは言わずと知れた聖母マリアの夫の名前である。同じ語源を持つジョゼッフォ(Gioseffo)との対比が面白い。

と書いたが落ち着いて考えてみるとゼペットの語源はZephyrusのような。それでもゼペットとヨゼフは共に大工、かつ厳密には自分の子でない子を育てたという点で関連性が…とまで言うとさすがにこじつけ臭いか。
(上記、第四巻発売時点までの情報に拠る)