シンフォニック=レイン

シンフォニック=レイン DVD通常版
トルタは僕にとって、なんなんだろう…と。
昼に、おじさんは恋人のようだと言った。
でも実際は、僕たちはただの幼なじみで、同じ学院に通う親友だった。
でも、それだけではない。そう割り切ってしまえるほど、浅い関係でもないような気がする。
それを言葉にしてしまうのは嫌だったから、僕はただ、それを疑問に思い、答えに気づかない振りをした。

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12/25、聖誕祭。その日にこそ、『シンフォニック=レイン』最大の嘘が暴かれる。天蓋の広場でクリスに落ちかかる、ただ一滴の雨。絶対に起こってはならない瞬間に起こされた、絶対に起こらないはずのこと。そう、クリスが抱える嘘、あるいは読者のとんでもない思い違い。その存在が、この日この時、切ないほど明確に示される。テクストを見、そして、そこに 書 か れ て い な い 真実を読むこと。天蓋、それはかつての誰かの、今なお機能のためだけにそこにあるとは思えないほど、美しい想い。それは世界全てを悲しみから護る、とても悲しい、誰かの幻影。それでも空は、その向こうに。