グリマスに思う
女の子の個性が弱くてよく分からんというけれども、よく見るとけっこう面白いこと言ってたりするのである。
たまにぽろっと心に刺さることも言うのである。
厨二病もサンタ娘もいないかわり、そう、連中はいつだって、なんだか頑張って話してるのだ。
だいたいは本当にどうだっていいことを。
モバマスの子たちは限られた会話テクスト内でそれぞれ明確にキャラクターが定義されている。定義が上手くいっていないと、あるいは不十分だと、やっぱり人気が出にくい。
よく言えばキャラクターが分かりやすいし、悪く言えば優れてラベリングされてる。
一言でどんな子なのか言えるのだ。
グリマスの女の子はラベリングしにくい。実際、適当に一人見繕って、その子がどんな子なのか考えてみるとよい。なかなか一言では表現できないはずだ。
ぱっと見、わかりにくいし、見分けが付きにくい。
これは流行らない。
なんだか昔のアイマスを思い出させるなあと感じていたけれど、そこらへんに秘密があるのかもしれない。
そこまで強烈な子というのはいないのに、しげしげ見てみるとどの子もどこかおかしい。おかしくて、なんだか可愛い。
どんな子なの? と訊ねられても説明できないので動画を作っちゃう人が溢れた。
アニメになる時、2になる時、アイマスのアイドルたちはすごくリファインされて、洗練されて、スマートになって、分かりやすくなった。
大成功だったと言っていいと思う。
大成功だったのに、グリマスのこのラベリングの悪さはどういうわけか。
たぶん、ある種の未練なんだろう。それで僕はわりと、この方向性も好きだ。