『アイマスブレイク!限定版』騒動

 月刊少年ライバルで連載中のアイマスまんが、『アイドルマスターブレイク!』の第1巻が先日発売に。即日完売のお店も多く出たとかで、それ自体は素晴らしいニュースなのですが、アイマス系BBS等の反応はそう単純でもないようです。

 というのも、ブレイク!1巻には、通常のコミックスと並んで「限定版」が同時発売されたのですが、この限定版というのが、アイドルマスターSPの特別DLCダウンロードコンテンツ)付き。
 漫画自体には特に興味が無くても、ゲームの衣装をコンプリートしたい人はこの限定版を買わないといけない、というのが複数のアイマスファンの反発を買った?らしく、平たく言えば「”おまけ漫画”付きDLC 800円」として炎上模様なのでした。

 騒ぎに輪をかけたのは、この漫画の主人公がゲーム『アイドルマスター』の主人公、いわゆるプロデューサーではなく、765プロダクション社長の孫の少年だというオリジナル設定。L4Uの際に巻き起こったファン代表P騒動*1を思い起こさせる事件です。

 不幸にも、限定版を入手出来なかったファンの多かったことが災いし、不満はエスカレート。「読む価値もない」「作者にアイマス愛がない」といった定番の書き込みはもちろん、「破ってupする」等のコメントも見られ(実際に切り裂いた画像が上げられていた・・・)、作品自体を激しく嫌う流れは、一部、過去の『アイドルマスターゼノグラシア』に対するそれ*2を連想させる程に。*3

 作者の藤真拓哉氏も、氏のブログで「限定版の方は各所で品薄になっているようで、嬉しいやら、申し訳ないやら、…複雑な気持ちです」とコメントしていて、恐らくこの騒ぎに全く気付いていないというわけではなさそうです。

 
 ↑問題のDLC衣装のデザインは同漫画家の手によるもの。結構可愛くて好みなので、なんとも心苦しい。

 「あれ? 読んでみたら案外面白いんだが」という投稿も、けして少なくはないのが救いでしょうか。実際、絵柄も可愛いし、定番のハーレムもの漫画として見ればそんなに悪くない・・・というか王道だと思うのですが。しかも絵可愛い。絵可愛い。

 僕としては、『ブレイク!』にせよ、『ゼノグラシア』にせよ、僕が知っているアイドルたち(少なくとも同姓同名)が、作品もろとも無かったことにされてしまうのは悲しいなと思います。本来なら愛されるはずだった彼女らが、ゴミのように道ばたに投げ捨てられて行くのを見るようで。

 どうですかね。


*1:アイドルマスターのステージ場面だけをコーディネートできるソフト、『ライブフォーユー!』では、主人公はプロデューサーではなく、ファンから選ばれた代表という設定であったため、「こんな男に俺のアイドルを任せられない」「プロデューサーを出せ」「小鳥さんとデートしたいがファン代表Pにデートさせるのは癪だ」等々といった批判が噴出、結局、最終的には、DLCで月々公開されていたミニドラマに、主人公のはずのファン代表Pの姿は現れなくなった。

*2:アイドルマスターの初のアニメ化として期待されたが、どういうわけか担当声優が総入れ替え、ストーリーもロボットに乗って隕石掃除をするというものになっており、酷く失望したファンが多数出た。今でも黒歴史として口にすることさえ躊躇われる風潮がある。

*3:ゼノグラシアの内容については、ちゆ20歳さんの本当は面白い「アイドルマスター XENOGLOSSIA」を参照のこと。