ふりかえり ― PORTA iDOLM@STER


「よく分かってない奴が偉そうに」というつっこみがいつ来るかとビクビクしていましたが、昨日のエントリーがだいたいのところ好評のようで、とても幸せ気分を味わっています。

ニコニコ登録数は一万件を越え、新しい巨大ジャンルを構成しているアイマスMAD。しかし膨大に広がった今、その情報量の多さは同時に、新規のファンが内部を覗き込むことを妨げる、最大の障壁になっているように感じます。僕自身アイマスにはそれほど良いイメージはなかったものの、幸運にも身近に熱狂的アイマスMADファンがいたため、まったく偶然の巡り合わせで、このジャンルの手ほどきをして貰うことができました。その結果は、ごらんの通り。

今、アイマスに必要なことの一つは、やはりこの世界へのポータルの整備だと思います。理由もなく一万件もMADは作られませんし、理由もなく数十万件の視聴回数は稼げません。けれど「どこから手を付けたらよいのか分からない」と二の足を踏む人は必ずいる。何よりアイマスMADというもの自体、ファンとしてはつい忘れがちなのですが、適当な歌に適当な振り付けを付けたものに過ぎません。白けた言い方をすれば、「お遊戯会の萌え少女バージョン」です。どんなに魅力的だとしても、すぐに飽きてしまいます。

アイマスMADを楽しむために不可欠な要素は、結局のところキャラクターたちへの思い入れだと思います。この歌い手はこんな背景を持っていて、こんな性格なんだと説明されて初めて、彼女たちの舞台は小器用なお遊戯会を脱することができるでしょう。アイマスMADは、それぞれ物語を内包しているか、もしくは別の物語の中に含まれている。それに気づいたときこそ、新しい(少なくとも、ある種の)アイマスMADファンが誕生する瞬間です。

今も増え続ける物語の小片。笑いあり、感動あり、いくら読み解いても際限のない喜び。そんな世界への扉の一つになれれば嬉しいと思い、昨日のエントリー(アイドルマスター キャラクター紹介)を書きました。正直なところ、昨日今日にアイマスMADを知った人間なので、情報量は知れたものです。勘違いや書きこぼしは多々あるでしょう。なのでぜひ、より多くの人が、アイマスのキャラ紹介にページと時間を割いてくれることを願います。


これからアイマス世界、そしてアイマスを取り巻く社会がどんな展開を見せていくのかは分かりません。
著作権問題など、悲観的な見方をすれば、アイマスMAD文化の命は風前の灯火なのかもしれない。
けれど僕には、なんだか素敵な予感がします。


画像引用:id:sikii_j 感謝!
参照: 同じくid:sikii_j
http://d.hatena.ne.jp/sikii_j/20070925/p2 アイマスMADはこれから大きく動く
http://d.hatena.ne.jp/sikii_j/20070909/p5 市場の力と、権利者削除の力