2006-07-26から1日間の記事一覧

 真理子

最近分かったの。わたし、<<あのお方>>のことも、実は――好きだったのよ スキップ,p515 作品は世界であり、その結末と共にキャストたちもまたその舞台を去る。また結末を待たずして、その世界から去っていくものたちもいる。けれど僕はむしろ、そんなキャ…

 摂理

その時わたしは気がついた。泣かないのもそのためだ。わたしが泣いたら、全部、本当のことになってしまう。だから、泣けないのだ 会えるとするなら、いつか生を越えた時。――その日まで待っていて下さいね 一ノ瀬…あたしは信じる。世界中が違うといっても、あ…

 その気配

なぜならば、そのような存在を感じるためにこそ、私たちは物語というものをよむのだから。そして、最良の物語には、とらえどころのない、しかし私たちにとってひどく切実な、「者」を越えた存在が、かならず感じられるのであるから。 ターン, 解説 やがて、…

 見えないもの

作者が自作について語るのは、作品にとって決していいことではありません。『ターン』の場合も、読者の方がそれぞれに読んで下さればいいのです。しかし、ここでこんなことを書き始めたのにはわけがあるのです。つまり、作中で起こる様々なことには、当然な…

 『スキップ』

さて、何から話し始めたらよいものか。今の感情を端的に言うならば満足である。もう少し夢見がちに言うなら幸せである。国語の成績の悪い中学生風に言うなら面白かった、になるだろう。これでは感想文として恥ずかしいという固定観念があるから僕はどんどん…