なんで今さらマスターライブ トークだけ一気聴き!
忘年会で、アイマスCDシリーズでもトップクラスのゲテモノであるところのマスターライブ(ML)は案外名盤だったのではないかという話をした。
前回:なんで今さらマスターアーティスト1 トークだけ一気聴き!
事情を知らない人がわくわくMLを買ってしまって思わずのけぞるなんてことがないように補足しておくと、もちろん、これは基本的にろくでもないものだ。期待してはいけない。
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アニマスではアイドルたちからだいぶ毒気が抜けて、そう、春香さんなんて抜けすぎて終盤まさに存在意義を見失うところまで行ってしまったけれど、アイマスが2になる前の彼女たちは揃って、良くてクソガキのたぐいだった。
言うことは聞かないし反応は理不尽。雪歩などはちょっと心配になるくらいどこかおかしかったし、実際声優がひとりおかしくなった。明るく朗らかに気が違ってるという点では一種のホラーである。ともかく。
計4枚のCDで構成されるMLは二部構成で、前の2枚が「マイクのスイッチが入ったまま」の悲劇、後の2枚が「春香がおやつを一人で食べた結果」の悲劇となる。なお、オチは両者ともに「これはスクープだ!」。
ことに後半の春香の畜生っぷりはおそらく、アニマスしか知らない人には信じられないレベルだと思われる。彼女が「はいっ、これでゼロになりましたーエヘヘヘー」とやらかしたおかげで狂気の世界の幕が開く。
前シリーズ(マスターアーティスト1、MA1)のファイナルでもロッカーに隠れて小鳥を意のままに操るという不気味な行動をとっていた春香だけれど、MLでの被害の大きさはその比ではない。
さらに次シリーズであるところのマスタースペシャルにおいては、MA1で嫌がらせの応酬を繰り広げた高槻やよいとの確執が明確化、食い意地の張ったやよいを柿の種でいたぶる(!)などの振る舞いに出る。
冗談ではない。さらにさらに次作のマスターアーティスト2(MA2)ではMA1以来続いた春香やよいのカップリング自体が解消されている。あまりのことだ。殺伐感だ。
アイマスが失ったものがあるとすれば、この殺伐感ではないのか、という茶飲み話である。アニマスの春香さんのエピソードがどうもしまりが悪かったように見えたとすれば、その理由の一つも実はそのへんにあるんではないのかという妄想である。
アイマスが妙に殺伐としていた時代があったのだ。今はモバマスに受け継がれている、コイン乱れ飛ぶ鉄火場生まれのバクチの素性。愉快な狂騒の末に首筋を撫でるヒヤリとした感触。
アイマスがポピュラーになるのと引き替えに手放していった、そんな狂気と殺伐感がたっぷり含まれていて、それがたったの4枚で実感できるという意味でMLは名盤なんじゃないのかという、これは褒め言葉である。
テーマとは外れるが、収録曲も相当酷い。頭がおかしい。