なんで今さらマスターアーティスト1 トークだけ一気聴き!

第一弾 マスターアーティスト(通称MA、あるいはMA1)
 XBOX360アイドルマスターの発売を契機に展開された、2007年版公式キャラソンシリーズ。アーケード由来の9名に加えて、星井美希音無小鳥765プロ社長のCDを加えた、計11枚がリリースされている。普通に販売中なので、アイマスCDコレクションの起点にするのもよい。よいが、全体的に頭がおかしい。

参考:
 アイマスのCD種類多すぎてわけが分からないよという人のために

 ちまたのアイマスファンは皆シャイニーフェスタ発売で嬉しそうですね。「もうライブフォーユー系はいいわ」といらぬこだわりを見せて予約しなかった僕はこのビッグウェーブに乗り遅れて爪を噛んでちょっぴり悔しがり、腹立ち紛れにマスターアーティストからこっち、公式CDのトークを一気聴きして歴史を振り返るコーナーを始めることにしました。


        ☆        ☆        ☆


THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 01 天海春香 やよいぐう畜度 ☆☆☆

 ぐうの音もでないほど聖人とは誰が言ったのか、気をつけて聞いていると、アニメ版でもポロポロと辛辣な台詞をこぼす高槻やよいの凶暴な野生が堪能できるCD。延々といびられ続ける春香さんはまだわりと白くてきれい。

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 01 天海春香

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 01 天海春香

*あらすじ:お菓子づくりを披露する春香と、その手伝いに来たやよい。
 登場するなり「今日はおやつを食べに」。今日はドンガラやバキーッをしないという春香に「本当にそんなことできるんですか?!」。トークを振っておいて「手が止まってる」。「手を止めるな」「答えが素っ気ない」「もっと長く答えろ」。材料をひっくり返した春香に「こんなこともあろうかと(全工程の)予備を準備しておきました」。「うっうー! そんな春香さんのことが大好きです!」。一日に4回くらい転ぶと言いかけてまた転ぶ春香を見て「答えは5回以上でしたー!」。ポエムで時間つぶしをしようとする春香に「そんなことをしたらCDが売れなくなる」。「できあがりがこちらになります。エッヘヘー!」。なお「予備の生地は私が持って帰るから無駄になりません」。まさにぐう畜。



THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 02 高槻やよい サツバツ感 ☆☆☆☆☆
 やよいのいいのかそれレベルの貧乏ネタプッシュから始まり、中後半は前回自分のCDでメタクソにやられた恨みを抱える(?)春香との間で謎の殺伐感をまき散らす会話が展開されるCD。実際コワイので必聴。

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 02 高槻やよい

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 02 高槻やよい

*あらすじ:お得情報を公開すると張り切るやよい、ツッコミをいれる春香。
 CDの価格が2300円というのに衝撃をうけるやよい。元をとらせるためにお得情報を大公開と張り切り、ブロッコリーの茎はすてるな、閉店ギリギリに買い物せよ等のセコい豆知識を連発。口を挟もうとした春香に「うるさい」とマジ切れするも、「そういう情報は求められてないと思う」と告げられると一転、泣き出して春香を悪役にする。一方、やよいの質問袋を乗っ取る春香。765プロの中で春香にならオセロに勝てそう、途中でひっくり返すだろうから。やたら辛口のやよい。折々にやよいをいじめる春香。この二人、ほんとうに仲良しかなのか本当は仲良くないのどっちかだ。たぶん後者だ。12円、38円に隠れて目立たない、とっておきの現金165円の元ネタもこちらに。



THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 03 星井美希 ゆとりトーク度 ☆☆☆☆☆
 無印の美希は何かが違った。違った気がする。僕だけだろうか? 二つのペルソナが統合される前の美希の片割れがここにいる。それは確かだ。あとわりと短気でわりと人の話をちゃんと聞かない真の一側面がここにいるのも確かだ。

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 03 星井美希

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 03 星井美希

*あらすじ:偏執的な熱意で寝ようとする美希と、普通に切れる真。
 「偉い人って、時々ありえないこというよね」。あまりにゆとりすぎてやる気もないのになぜこんなにかわいいのか。もしかしてこのCDの美希が歴代で一番かわいいんじゃないかと思われるレベル。なのなのって思うな。響もそうだけどアニメでは語尾がパターン化しすぎだよね。開幕三分で帰ろうとして真に連れ戻される。「頑張れ美希、気合いだよ」「この子悪い子じゃないんだけど、ちょっと天然で」。自分のCDでは周囲を振り回す真も、応援で来る時はわりと苦労させられるポジション。美希の話し方がちょっと城ヶ崎姉妹を彷彿とさせる。「ラブレターは男性からって決まってるの」。菊池真15歳、初めての殺意かも。美希にマジギレして殺意を覚える真というのはアニマスからはちょっと想像しにくいのでは。心の正しい人にしか見えないペンで書いたから先生には見えないのかもッ?! 



THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 04 菊地真 真王子度 ☆☆☆
 美希のCDの後ではあまりに正統派というかラジオドラマ的というかなんというか、千早CDと並んでこの記事的なインパクトには欠ける。コメントにも苦労のあとが偲ばれる。

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 04 菊地真

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 04 菊地真

*あらすじ:美希が真をおだてたりすかしたりして意のままに操る。
 気取ってシャンシャンプリプリやってる真になんか変だと突っ込む美希。格好いいのが真だと説得する美希。しめしめなの。秘蔵写真を増やすチャンスかも。「わぁい・・・」。ごきげんよう真王子。女性はみんなバラ。突っ込んでる真はりりしい。格闘技が好きでスポーツが得意だからハッスル王子。真はかっこよくて人に夢見させる力を持っているから美希も寝そうになった。チャドー呼吸で自分を取り戻す真。そしてエージェント夜を行く。不思議なキャラである。



THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 05 如月千早 亜美真美度 ☆☆☆☆
 亜美真美のテンションがおかしいの一言。どうすんのこれ。反省を生かしてマスタースペシャルのカップリングは亜美真美&律子となった。これはこれで悪くないのだが、どうすんのこれ。

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 05 如月千早

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 05 如月千早

*あらすじ:千早CD、亜美真美に乗っ取られ微妙なありさまになる。
 千早と亜美真美カップリングするという今思えば何という冒険。ゆゆしき縄文式問題。10歳年上のIT系社長と深夜の焼き肉屋デート。ウワー千早お姉ちゃんテラモエスーーー! 亜美真美のおかげでわけわからんテンションに。聞いて判断してほしい。



THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 06 双海亜美/真美 千早いじり度 ☆☆☆
 特に意識してなかったのだけれども、千早の胸ネタはこんな時期からここまでいじられていたんだなあと感慨深くなり、男社会の論理であり、そう、この粗珍どもめ。いいんかなこれ。

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 06 双海亜美/真美

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 06 双海亜美/真美

*あらすじ:亜美真美が次々とものまねをし、千早の胸をからかう。
 この頃はまだただの変な子供の亜美真美もどんどんこまっしゃくれたアレになるのはまだ先の話である。かわりばんこでアイドルしていたことさえ今となってはああそうだった感。出番を譲って貰えない真美、「あたし、天海春香ですっ!」 唐突に物まねをし始めるが微妙に似ていないとの評。順繰りにアイドルたちのものまね芸が展開。実際うまい。実物が登場したため後回しにされた千早の物まね「薄いって言われ続けて15年。ヤカン牛乳寝る前に飲む」「胸なんて飾りです。偉い人にはそれがわからないんです」。これはひどい



THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 07 三浦あずさ ペア相手のCDで言いたい放題 ☆☆
 自省するあずささんはCDでは案外珍しい気もする。そうでもない気もする。伊織にボロカスに言われても言い返すでもなし、器の大きさを誇るでもなし、そこには夢が詰まっているから大きい。

*あらすじ: 思考の迷い路で涙するあずさと、好き勝手言ってすっきりする伊織。
 ドキドキCDで癒やしとか無茶を言い出すお姉さん。なおテーマ・ドキドキCDはマスタースペシャルの律子亜美真美ペアに引き継がれる。伊織乱入で騒がしい。曲紹介にて別れのシーンを妄想して泣き出すお姉さん。伊織乱入。「だって彼が私をおいてアメリカに行っちゃうっていうんですもの」「彼って誰なの。なに勝手に設定まで付け加えてるのよ。そんな人は現実には存在しないの。目下のところあずさは恋人なし。独り身。フリー。シングル。一人ぼっちの孤独なアイドルなのよ。しっかりしなさい」「あずさってボケボケしてるようで意外と道を踏み外さないタイプよね。実際の道には迷いまくりで天然ボケだけど、頭のピントはずれてないんだ」「天然ボケは天然ボケらしく細かいことは気にしないの」。言いたい放題。優勝は伊織ちゃん。安いツンデレを見せてくれる伊織。なんだこれ伊織のCDか。



THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 08 水瀬伊織 釘宮度 ☆☆
 きっちりとコンパクトに想定内というべきか、シンデレラガールズちゃんみお+の衣装というべきか、そんな感じ。SRになるには何かが足りない。

*あらすじ:伊織にののしられる、いつものCD。
 キュートでスウィートな伊織ちゃんのイメージからのちょっぴりセンチでエンジェルな伊織ちゃんで意表を突く伊織ちゃん(自称)。人類史上に名を残す至高の名盤(自称)。現実にはいおりんのMAマジ最高(わりと死語気味の定型句)。変態丸出しの手紙のどこが私をたたえる手紙だっていうのよ! そんなゆがんだ愛情表現なんていらないわよ! 目指すCDと求められるCDが違うのは真と似ている。毎度手紙を取りに行くといくえ不明のあずさ。うさちゃんがしゃべるネタはアイドラにもあって面白い。派手な設定に反して、なんとも地味というか派手さのない伊織。面白い。



THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 09 萩原雪歩 しみじみとやばい度 ☆☆☆☆
 雪歩のきちがいポエム。

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 09 萩原雪歩

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 09 萩原雪歩

*あらすじ:雪歩がポジティブに張り切るのだが方向がおかしく、巻き添えを食った律子が気絶する。
 雪歩の乙女チックポエムの国へようこそ! 初代雪歩のコショコショした声が楽しめる。ちなみにあずみん雪歩の声はポキポキ。ヘイジョージ! 実はこないだうちのワイフが隣のピアノを。津軽海峡冬景色。ちゃっかり感が増したあず歩に比べてゆりしー雪歩のマジキチ感は100倍くらい(偏見)。マスタースペシャルではさらに進んで面妖状態になり爆発四散。ゆりしー雪歩はちゃっかりテヘッなあず歩に比べて純粋にキチガイ感が強めで正しくMA的である。そこはかとなく頭おかしいので楽しいCD、と思っているうちにどんどんマジキチに。タイトル「おかしなお菓子」! 落ち込んで穴ほろうと思ってたらサッカーボールを持った人に出会った。ジョリオ・ダ・シルバ。穴を掘ると言うことは自分を掘るということでもある・・・。最後のチャレンジ、エビを剥きます。エビの長いヒゲが手にチクチクー! 最後にして異常にしょぼいと突っ込む律子、ヘビを持たされダウンして退場。「犬をカワイイと言わないと冷たい心の持ち主だと思われる」などといっているMA2の雪歩がかわいいレベルの純正きちがいっぷりにしびれる。



THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 10 秋月律子 マスタースペシャルの前座度 ☆☆☆
 今となっては設定に若干の無理も感じるが、昨今の「基本できる子」な律子と一線を画す当時の律子が描かれる。つまり馬鹿でかわいい。

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 10 秋月律子

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 10 秋月律子

*あらすじ:CDの売り上げアップをもくろむ律子の計算高さと基本のだらしなさがアピールされる。
 今になってつくづく思うのだけれど、律子のトークのクオリティの高さは凄い。最新CDのトークとほとんど変わってないんじゃなかろうか。完成しているというか。所々良いことも言っているし、ムリすれば萌えないこともあるが、根本的にがめつい雰囲気が多すぎてマイナス。CD売り上げに不足していると思われる萌え成分を雪歩から摂取しようと目論むがそれはどうか。しっかりしているようで基本的にアホな律子にいちいちギャーギャー突っ込む雪歩が面白い。やよい的なほんわかdisが。なぜか春香が(名前だけ)登場し、見捨てられる。



THE IDOLM@STER MASTER ARTIST FINALE 765プロ ALLSTARS(音無小鳥) ハルカッス爆誕度 ☆☆☆☆
 かわいい小鳥さん、おちゃめな先代社長、こそくな春香の三人で贈られる、MAエピローグ。ID:OLが聞けるのはこのCDだけ(のはず)なのでとりあえず買うとよい。

*あらすじ:小鳥さんが仕事をしようと妄想しながら歌う。なぜか春香が登場し、悪さをする。
 春香が公式に黒くなった歴史的瞬間ではなかろうか。これは邪悪と言われても仕方のない振る舞いである。07年末以降、白黒春香騒動が急速に落ち着いていった背景にこのCDも一枚噛んでいた可能性さえあるような気がしたりしなかったりだ。今はハワイにいるはずの先代社長のラップも聴ける。団結も聞ける。ID:OLも聞ける。何かとお得なCDだ。名盤だ。


次回:なんで今さらマスターライブ トークだけ一気聴き!