Vedi, questi filosofi
- 作者: ピエトロエマヌエーレ,Pietro Emanuele,泉典子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2005/10
- メディア: 単行本
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言うまでもなく、思想の解釈は根本的にそれぞれの人が行うものであって、誰のどの本が正しいかという話はできません。
けれど、「誰が(だいたい)どんなことを言っていたのか」を知ることは、素直に納得するにせよ、違うだろと反発するにせよ、はじめの一歩として有効です。
言い換えれば、哲学史を扱う多くの本が、とにかく難解で、いや、むしろ、嫌になるくらい退屈な、言ってしまえばひどい悪文に満ちていて、気づけば僕らの眉間に縦ジワを寄らせる、つまり僕らが足を踏み入れることさえ阻んでくるのに対し、この本はほのぼの読めるのです。
たとえばギリシャ哲人たちの話題なら、かならずと言っていいくらいディオゲネスの台詞が引用されて、――だいたいろくでもないことを彼は言うのですが――、結果、彼らは偉大な賢人だったというよりも、変なおじさんたちだった、ということになります。
んなわけないだろ、違うだろ、と思うのは自由。そしてそれこそが、それぞれの思想を深めるためのファーストステップに他ならない、僕はそう思います。
著者はもちろん、翻訳者の方の性格なのでしょう。親しみやすい本です。