Bologna, Basilica di S.Lucaまで歩く


久方ぶりにボローニャを訪問。『シンフォニック=レイン』の舞台になった地で、作品でおなじみのポルティコ(歩道を覆うアーケード状の柱廊)が延々と続く街。ミラノとリミニ、ヴェローナフィレンツェをそれぞれ東西、南北に結ぶ鉄道の交差点のため、駅にはいつも乗り継ぎを待つ旅人の姿が絶えません。
肥沃なエミリアロマーニャの生産力を背景に、交通の要衝としての地の利を活かし、かつてはイタリアでも指折りな都市として栄え、世界最古級の大学や北部イタリア有数のバシリカ聖堂、数百本を越える塔を有し、多数の衛星都市国家を従えた中北部の雄も、今となっては聖ペトロニウス聖堂の未完成のファサード、あるいは傾いた二本の塔に象徴されるように、落日の匂いを隠せずにいます。けれどこの数多の旅人の通り過ぎて来た街は、どこかいつも懐かしく、街を覆う柱廊の下は、なにやら無性に思索へと誘います。そんな駅前から続く柱廊を延々と辿って街の南西、聖ルカ教会まで歩きました。
薄曇りの空の下、時間にして約二時間半、途中のBARを冷やかしながら街を見下ろす丘を登ります。ただ教会のためだけに作られた柱廊を進むこと三キロ、風の吹く尾根に丸っこく愛嬌のある姿で佇む聖堂に到着。バシリカ建築らしく地味な外観に相応しいシンプルな内部は、しっとりと引き締まった空気に満ち、内陣の見事な青はその中に一際際立ってマリアを讃えます。折しも信者のロザリオが聞こえ始めた聖堂を出ると、外には晴れた土曜日の空。
何だか出来すぎな一日はのんびりと過ぎ、三時間の夕食の後、この駅での再会を期してそれぞれの街へ。計14時間の日帰りの旅は不思議に疲れを残しませんでした。良い一日に感謝。そして神の母マリア、へっぽこな僕らのために、いつも祈ってください。

データ:ボローニャ中心からサン・ルーカ教会への行き方
地球の歩き方』がわざわざ記事にしているくせに、肝心の訪問手段を教えてくれないBologna町はずれの名所、Basilica di S.Luca。全くあの本はいつもいつも地球の迷い方でございます。
さて、バスならばP.Maggiore(地図の貰えるインフォメーションや噴水のある中央広場)から直ぐのS.Pietro大聖堂(インフォメーションがくれる地図では紺色の②番、頼めばS.Lucaへの地図もくれます)の向かい側の車線にあるバス停から20番のバス(変更の可能性有り)に乗って、Villa.Spada停留所まで行きます(終点ではないので運転手さんに降りる場所を聞いておくと吉、最悪「Villa.Spada! please、あー…」とか言っていればたぶんOK、おそらく20分程度、未確認)。そこからS.Luca聖堂までは直通バスが出ているらしいので(未確認)、そちらに乗り換えて10分ほどではないかと思います(未確認)。
徒歩ならば同じくインフォメーションの地図の左下、Porta Saragozzaを目指して中心街を適当に歩き、首尾良くVia.Saragozza通りのポルティコにさえ辿り着けば、あとはもうそれに従ってそれっぽい方向(西へ)に歩いているだけで子供にでも辿り着けます。ポルティコのおかげで雨だろうが晴れだろうが終点まで快適に歩けますが、Villa.Saspada付近から階段を含む坂道が延々と3キロ前後続くため、足に自身のない方はおとなしく中央広場付近からタクシーで来た方が良いでしょう。この付近まで来るとタクシーもあまり見かけませんので。
お節介:
風の渡る丘の上、終点のS.Luca聖堂付近は綺麗な芝生の広場とちょっとした水道があるのでお弁当を持って行くと気持ちよいピクニックになるでしょう。ただしトイレの有無を確認していませんので(たぶん無い)先に用事はすませておいた方が安全だと思います。