いつかある晴れた日, いまだ見ぬ最終回へ

読者は知っている。語られたすべての物語はいつか終わるのだということを。それは死への恐れにに似て、読者をその事実から引きはがそうとする。けれど上質の物語においては、すべての物語が語り終わられたその時こそ、読者は物語の全貌を把握したうえで、自らのうちにその世界がもう一度、圧倒的な意味をもって再演されることを知る。「語られた物語の終わり」は、「語られなかった偉大な物語」の始まりなのだ。それは意味の物語であり、問い続ける限り終わらない、自分の内なる物語の始まり。ハルヒというアニメは、アニメというジャンルにおいて、その無限の喜びの鍵を開けた。


*1

*1:何もかも終わったあとで、もう一度第9話を見るのが今からとても楽しみです。