肉食の思想

肉食の思想―ヨーロッパ精神の再発見 (中公新書 (92))
重要なのは、血だらけの豚の頭をほじくってまで肉食率を高めるか、
いい加減のところで肉食をやめるか、のどちらかである。

■要約(投げだし気味)
・生き抜くためには肉食に頼らざるを得ない
・断絶論理、ほんとうの人間と、そうでないもの
・ほんもの指向、観念ではない身分の峻別
・輸出不能パターンとしての思想と食生活

ヨーロッパはおよそ低温少雨のため穀物生産率が低い。一方で雑草の発達が緩いので家畜の放牧には適する。また土地も比較的広大である。ゆえに野山に放牧された家畜が食料源の中心におかれ、それらと頻繁に接する機会も生まれた。
…あたりまでは比較的まともだと思うけれど、そこからはどうなのかなあ。


しかし動物は盛大に発情し乱交する。生活空間のすぐそばで行われる彼らの行為への嫌悪感から、彼らとの断絶は意図的に生み出されなければならない。ゆえにキリスト教会は結婚を秘跡化し近親婚を強く制限、また離婚をかたく禁止した。
…そういう要素もあったろうなあとは思わずにはないけれど。ちょっと根拠が薄くないかしら。

以降、色々考えたあげく、「ヨーロッパに憧れるだけでなく、日本的な生活を考えてみるべきではないか」との締めくくり。せっかく冒頭が面白かったのに、なんだか肩すかしでドブに落ちた気分です。