トヨタ白川郷自然学校

hajic2005-11-28


http://www.toyota.eco-inst.jp/main.html
学祭のお休みを利用して岐阜の白川郷にあるトヨタの宿泊施設、”トヨタ白川郷自然学校”に行ってきました。昭和48年に集団離村で消滅した馬狩集落跡に建てられた施設で、敷地は東京ドーム十何杯あるそうです(私は東京ドームに行ったことがないのでわかりませんが)。また学校とは言っても、基本的にトヨタ資本のちょっと優雅な社員保養施設兼リゾートホテルであって、空気はおいしいしご飯もおいしいし部屋は広くてお風呂は天然温泉、という感じの素敵な宿泊施設です。お値段もまあまあ。加えて「自然体験付きホテルではなく、ホテル付き自然体験施設です!」と力説する山田チーフ以下8名のインタープリター(平たく言えば案内員さん)たちによる、周囲の野山の軽いウォーキングプランも充実していて、のんきに数日過ごすのも楽しそう。良いところでした。


……しかし実際のところは、この”自然学校”、山田さんたちの否定する「自然体験付きホテル」以上のものではありません。が、それはそれで良いと思うのです。というのも、ここを訪問する大部分の人々は、「ゆとりの時間」を楽しみに来るのであって、野山に分け入るために休暇を割いているわけではない。その「ゆとりの時間」の中に、「野山に分け入るというオプション」があるのは良いでしょうが、野山に分け入ること自体を訪問の目的にするには無理があります。だってもしそんな人がいたとしたら、わざわざこんなところに来ず、自分でテントでも張るでしょうから。

結局のところ、エコツーリズムやグリーンツーリズムなどと呼ばれる自然型旅行プランが、なかなか日本で上手く根付かないのは、この辺りへの変なこだわりが原因になっているのではないかと常々感じます。もしも、本当に多くの人に自然の良さを味わって貰いたいのなら、彼らは明らかに『自然体験「も」できるリゾート』を目指すべきで、その上でその「体験の質」を高めれば良いのです。自然が好きなのは個人の趣味で、結構な事でしょう。しかしながら、多くの人は、白樺の林を眺める暖房の効いた部屋のほうが、寒くて虫の入り込むテントより好きなのです。