【ネタバレ】桜井夢子とは誰か

「私が予約しておいた祝勝パーティ用のレストランのキャンセル料、あなたに半分払ってもらうわ」
「そんな形だけのパーティ、どうでもいいでしょ! 私がせっかく企画してあげたんだから、こっちに参加しなさいよ!」
「そんなに呼べるわけないでしょ? せいぜい…あなたと私ぐらいよ」
「じ、自腹なんだからしょうがないでしょ! 私はしみじみしてる方が好きなの!」
「ほう、では僕は呼んでもらえないと言う事かな」


 桜井夢子はアイドルマスターDS、秋月涼ルートに登場するサブキャラ。しかし涼が女装した男の子*1であるため、扱いは実質的に該当ルートのヒロインでもある(この配置はアイドルマスターシリーズにおいて独特か)。当初は慎ましくも朗らかな他事務所所属のアイドルとして登場するものの、まもなく卑怯な手だて*2を講じてライバルを排除する人物であることが判明する。

 彼女の夢は武田蒼一*3のプロデュースする有名音楽番組「オールドホイッスル」に出演することであり、そのためにめぼしい競争相手を蹴落とすことに余念がないのであった(乙淵ふね作戦)。涼と深く関わるにつれて素直な素顔を覗かせるようになる夢子だが、武田本人にオールドホイッスル出演を断られたことで失意に沈む。

 「性別カミングアウトを妨害する芸能界への挑戦」及び「夢子に再びアイドルの夢を取り戻させる」の二つの軸で物語が駆動する涼ルート終盤においては明らかにヒロイン級の処遇を受けており、大変可愛らしい。全てのルートを攻略した後に進むことのできる後日談「それから・・・」でのツンデレっぷりは必見である。



 コミカルな展開が際だつ涼ルートは個人的に一押し。アイドルマスターDS、だいぶ値段もこなれて来たのでお勧めできます。CERO Cでπタッチもあるよ! ほんと、夢子に声つかないかなー。

*1:イケメンになるためアイドルデビューを志した秋月涼♂だが、どういうわけか女性アイドルとしてデビューさせられてしまう。性別を隠したまま活動を続け、夢子や876、765プロのアイドルたちとの交流の中で誰彼構わずπタッチ。人気が出るに従い自信を持った彼はいよいよカミングアウトを決意するものの、彼(彼女)の人気が失われることを怖れる局側の妨害が発生し・・・。

*2:ニセ情報でオーディション会場を間違わせる、数週間仕込んだしょっぱいあめ玉を食べさせるなどして涼を苦しめる。夢子の魔の手は765プロのアイドルにも及ぶが、あめ玉作戦はやよいには通じなかった。理由は推して知るべしである。

*3:「そう、僕だ」の名言で有名な音楽プロデューサー。Sランクアイドルに挑む涼のために『dazzling world』を編んだ。音楽番組オールドホイッスルのプロデューサーでもある。最重要キャストの一人であり、アイドルマスターシリーズ随一と言っても良いほどの貴重な”良心的な大人”なのだが、立ち絵が一枚しかなかったためかすっかりネタキャラのイメージが定着した。