7/12

蚊に噛まれまくって目が覚める。壁に3匹ほど発見しせっせと退治し、もう一度寝る。夏にイタリア旅行を考えている人は日本から蚊取り線香を持って行くべき。
お昼は豚のステーキと芋とゆで卵とトマトと玉ねぎのサラダ。ムシャムシャ豚を食べるジョルジョに僕は客なんだから美味しい部分をよこせと言ったら「buono si, fesso no(俺は良い奴だがトンマじゃない)」と高らかに宣言しペロリと平らげた。
Buonoは良い奴、fessoは頼まれ事を何でもハイハイと聞いてしまう人である。日本人はしばしばこのfessoかもしれない。この境目は子供に好かれることと子供に舐められること並みに峻別されている。ような気がする。
夕方涼しくなってから散歩に出かける。午後六時半を回って外はまだまだ明るいもののお店はみんな閉まる。商店主たちにも夜の生活があるのだ。代わりに朝は八時半前後から開店するのでけして言われるほど怠惰なわけではない。と言っても昼間は十二時半から三時四時まで閉めるからやっぱり怠惰かもしれない。

蚊に追いまくられて(ミラノの蚊と来たらせっせと歩いていても噛む)うんざりし帰途につく。もと教会だった広場には柱だけが残っていてみんなせっせと草を吸っている。その脇には財務警察が麻薬犬を連れて世間話をしていて、実に地に平安である。天に栄光かどうかはわからない。
平安な広場の脇にあるBAR、Todos a cubaでビールを頼む。飲み物を頼んだら色々ただでつまめることを当て込んだのだけれどビールが水で割ってあり憤慨する。インチキ野郎のimbroglioneである。ミートボールなどほとんどパンで、美味しかったのはニンジンの角切りだけだった。