Il Redentore

用事が済んでいよいよ七月。第3土曜日、ヴェネツィアではレデントーレというイベントが行われます。祇園祭と七夕を2で割ったようなお祭りで、かつて街に蔓延した疫病の終焉を祝い感謝するために始まりました。
町衆はそれぞれ自前の舟を色とりどりの短冊や草花で飾り付けて運河にこぎ出します。舟の上には友人知人が鈴なりで、持ち寄ったビールやワイン、ことによるとラムやウィスキー、ごく稀に焼酎や梅酒や清酒なんかを片手に、レデントーレ教会の前に花火が上がるのを待つのです。
花火はだいたい真夜中頃に終わりますが、その後もなんやかやと騒ぎは続き、世が白む頃、皆ぐだぐだでベッドに戻ります。
湿気と熱波と観光客でうんざりするヴェネツィアの夏前のひと時。チケットもそこまで高くありません。『ARIA』ファンの方は訪問を企画してみてもいいのでは。

(ただしヴェネツィアの宿泊料は跳ね上がります、当然ながら)