■
海燕さんのところで「女性とは言え友人同士のボディータッチは気持ち悪いからやめろ」という引用記事を読む。とても繊細な、アジア的な主張だなあと思う。もちろん、悪い意味ではなく。なにせ、これが日本の流儀なのだから。
イタリア人に言わせるとイタリアは世界で一番しょっちゅうキスしている国らしい。しょっちゅうキスすると言うことはしょっちゅう抱き合っているわけでもあり、ボディータッチどころではない。なにせ、まず挨拶が「キス一つ」「ハグ一つ」「大量のキス」「死ぬほどハグ」「無限のキス」「燃えるハグ」*1。
もちろん友人同士、同性同士、当然男同士でもする。むさ苦しいおっさん同士が道ばたでかたく抱き合ったあげく「ムーチュッ」と音を立てて頬にキスをしあうのだ。気持ち悪いと言ったらこの上ないかもしれない。文化の違いだなあ。
個人的には、キスはともかく、ボディータッチが許されるのは幸せなことだと思う。他人との距離感を掴みかねるのは日本のおたくに共通する悩みではなかろうか。「物理的に近づけるところまで近づいて良い」というのは非情に合理的で分かりやすい。これが許されない日本の社会というのは、本当に厄介だと思う。恋人達でさえ腕を組んで歩くことに若干の障害があるのだ。すごい国だ。
逆に言うとそのあたりに僕ら、おたくの生み出す妄想の源泉があるのかもしれないけれど。案外。
*1:手紙や電話の最後に取って付けるのだけれど、実際にできない分を言葉にする、という要素が強い。