KANON2006 祈り込められた冬


KANON2006も佳境に入ったようす。幼少時にフラグを立てまくっていたと揶揄されることの多い主人公だけれど、それを言うならむしろ呪いをまき散らしていたのではあるまいか。何人不幸にしたか知れたものではない。
奇跡と呪いは理不尽さを本質とした表裏である、と言い放ったのはスティーブン・キング。それは非常に微妙なバランス。取りようによってどちらにも転ぶのではないかとさえ感じられる程の限界。
KANONはそんな「奇跡」とは何かについて、デジタルノベルが意識的に問いかけ始めた瞬間だと思う。そしてそれは、デジタルノベルという潮流が踏み入んだ、一つの最高点だと僕は信じている。
皮肉を言えば、逃げ出した過去への帳尻合わせの物語とも言える。そこは時間さえ凍り付いた街で、彼の戻りを何時だって、何度だって待っているのだ。
だからもし、8年前、KANONが逃げ出したものがあるとすれば、今KANON2006はどういった答えを僕らに見せてくれるのだろう。
7年ぶりにあの街に戻った僕らは、どんな結末を知り、そして今、どんな奇跡に出会うのだろう。
彼女は、すべてを笑って受け入れるに違いない。けれど


京アニには、期待している。



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