シリーズごとに甦る

Father....Why? Why did you...

OUVERTUREが公開されたローゼンメイデン。悪くないと思うんだけれど……なにぶん第一部最終話が素晴らしすぎて、その後どんなに元気に水銀燈が活躍しようともどこか皮肉な雰囲気が漂う。いや本当に、あのシーンは素晴らしかった。結局自らを焼き尽くす結果になった渇望の炎が、彼女の纏う闇色の衣を燃やしていく。地に崩れ落ち、その身を焦がしながら、雪のような純白の姿で天に叫ぶ水銀燈。心を動かされた人は多いだろう。彼女は確かに過ちを犯したかもしれない。けれどこの仕打ちは酷すぎる…そんな意見があちこちに見受けられたのは理解できる。けれど、だからといって生き返るのはどうかと思うのだ。まるで何度でも甦るタチコマが、皮肉にもその事を通して、自らが生命を持たない物体であることを証明してしまっているように。

完全を求めた人形は焼き尽くされ、命を求めたロボットは砕け散った。彼らは求めてはならないものを望んだのかもしれない。会えないものに会いたいと願ったのかもしれない。けれど、だとしても罰は一度で良いと思うのだ。何度も同じ仕打ちに会い続ける彼らが、不憫でならない。