劣化していく僕たち

「近頃の作品の質は劣化する一方だ」「そんな作品にそれなりの人気が出てしまうのは消費者の劣化が進みすぎたせいだ」と決め付ける僕ら世代のおたくですが、考えてみれば先輩のおたく諸氏たちは同年代がバンドだのなんだのに興じている間にルーンクエストを邦訳してみたり、もっと前だとわけわからんSFなんかを紹介してみたり、ばーんと明治期まで遡れば夏目漱石なんか(僕は彼に同類の匂いを感じる)は漢文からラテン語までサラサラ引用してみたりしているわけで、僕らごときが後輩にえらそうな口をきけた筋合いは一切ないのかもなあとふと寂しくなります。「教養が欠けてる!」と言うのは簡単なのですが、じゃあ一体何をどうすればよいのやら。