鎮魂歌としてのハルヒアニメ

やり残したことはたくさんある。可愛い女の子に引っ張り回され、宇宙人や超能力者、タイムトラベラーとほどほどに冒険する。毎日のルーティンから飛び出すつもりはなく、ささやかな喜びは部室の中でのボードゲーム…。それは皆、あの頃、あの純朴なおたくだった僕らがやりたかったこと。できなかったこと。何もかもできなかった僕らのために、何もかもをやってくれるハルヒの世界。

ところがなんということ、彼らはご丁寧にも物語が終わるより先に、その結末を見せてくれた。たとえ何もかもをやったとしても終わってしまうことはやはり悲しい。僕らは何もかもができなかったから後悔しているのではない。何かやろうがやるまいが、絶対に終わってしまうことに対して、僕らは常に残念に思う。問題は、ならば一体、僕らは何を求めていたのか。僕らが本当にやり残したことは何か。