9/14 再編成される時間の中で

涼宮ハルヒアニメの構成の妙はまさにこの点に尽きる。時間は絶対に終わる。何があろうとも、何もかもをやろうとも終わる。それを明らかにした上で、彼らはまだ語り切っていないものを持つ。何もかもができなかったからではなく、むしろ残念に思っているからこそ何もかもがやりたかった僕らが、本当に望んでいるもの。それを彼らは結末の先に置いた。時間の終わりではなく、物語の終わりを。

終わるけれど終わらない物語。終わらないけれどいつか終わる日々。それはまだ終わらない僕らの物語への祝福、もう終わってしまった僕らの時間への祈り。遠からず、いつかその二つは同義となるにしても、まだ少しだけそこには考える猶予がある。「時間旅行は別に難しいことじゃない」。そう、意味の繋がりは時間をたやすく再構成する。ならばこそ、この暮れゆくおたくの時代が、僕らのおたく物語の終わりだとは、誰にも言えまい。