フルメタ2への愚痴

フルメタル・パニック! The Second Raid Act3,Scene12+13 (通常版) [DVD]
一方フルメタルパニック2の方はどうかと言えば京都アニメーションのクオリティは相変わらず、喋っている人以外もきちんと動くということが単純に嬉しいというのは現在日本のアニメが置かれている状況を思い起こさせずにはいられませんよ、ぐすんぐすん。さすがにふもっふとまでは行かないまでも、きちんと仕事をこなしてくれました。問題はストーリーの方であります。ぐすんぐすん。


なるほど、なかなか良い点を突いているのです。言うまでもなく元来フルメタは「シリアス」と「お笑い」の両側面の間を行き来する作品であり(ご存じ『ふもっふ』は見事に後者を演じきりました)、セカンドレイドにおいて制作側はその部分を意識的に浮かび上がらせて物語を進めます。テッサ率いる組織に代表される「人が死ぬ世界」と、かなめたちのいる学園という「人が死なない世界」の狭間の存在としての相良宗介。セカンドレイドの扱いかけた題材は本作の本質でした。


つまりテッサとかなめの二者択一、ああどうしようというお話を壮大に展開しているのがフルメタという物語なのですが、まあ最初から決着はついているのです。だってかなめは絶対に死なない世界の住人なのに、テッサときたらその反対なんですもの。どちらかが舞台から退場しない限りこの物語は終わらない。そしておたく系読者の心を必要以上に刺激せずに退場願える方法としてはどちらかの完全なる退場、すなわち死を持って行われる他なく、そうならばこそ結果は見えている。


と、話はともかく、何が気にくわないかと言って敵方の扱いのぞんざいさであります。何ですかあの適当ぶり。背景が全然見えてこないではありませんか。おかげでお話が薄っぺらくなり、せっかく属性を「シリアス」に振り切ろうとした脚本が台無し。ふもっふの完全な裏面として、徹底的に暗い話になってこそ主人公相良宗介の悩みが生きてくると言ったものなのに、あのざまでは全くつじつまが合いません。つまり、宗介が何で悩んでいるのかさっぱりわからんのです。ああ残念。ぐすんぐすん。

(以上、フルメタルパニックふもっふページ内『思い入れたっぷりなテッサ考察』参照
http://www.geocities.jp/haji_c2003/anime/fulmeta/fulmeta.htm