学のある乞食通り

ピエモンテ州はBraにやって来ました。世界(のごく一部)に名高いスローフード運動の発祥の地(たぶん)で、「何もないど田舎」だという事前情報だけを持っていたわけですが、ところがどっこいあなたここはど田舎でもなければ何もないわけでもなく、街もあれば線路もある、四つ星ホテル(イタリアのホテルの宿泊価格は実に怪しい計算式できわめて恣意的に自動的にはじき出されるため、値段設定はまったくもって意味不明ですが、少なくとも星が増えれば自動的に最低額が高くなるとだけは言えます。なお200ユーロだそうな)まであるトリノベッドタウンではありませんか。これだからイタリア関係の書籍は当てにならん。脚色という名の嘘ばかりならべるのでご注意。

街の名産はラム酒入りチョコレート、トリノの影響を受けた洒落た木造のカフェも見かけるのどかなエリア。散策するほどなにかあるわけではないようですが、ウィンドーショッピングが楽しめる程度にはお店は揃っている様子。イタリアは南部と北部で歴然たる貧富の差がある、というのは有名な話ですが、当然ながら北部のうちでも貧富の差は存在し、この街は間違いなくリッチな方。イタリアがユーロ圏からはじき出されない限り、遠からずスローフード運動のガイドブックは「田舎町」というロマンティックな記述を見直さざるを得なくなるでしょう。というか電車が通っている街を田舎町というのはそもそも間違っていると思う今日この頃ではあります。