粗挽きエスプレッソ

専用の器具により圧をかけ、急速にそのエキスを抽出するエスプレッソ用の豆は、ごく深炒りの豆、通称イタリアンローストを用い、また圧を逃さないように豆の挽き具合はごく細挽きにするべきである、というのが一般のコーヒー好きの認識ではないかと思う。つまりエスプレッソ用の豆は、それが要求する細かさのために通常のコーヒーグラインダーでは挽けず、挽けたとしても長時間のグラインドで発生する過剰な熱によりアロマが飛ぶので本来の味が失われる。故にかならず専用のグラインダーを購入する必要があり、そのお値段は2万円前後と高価だがそれしかないので仕方がない。

と思っていたのだけれど今日いつもの豆屋さんでイタリアンローストを100グラム挽いてもらったら、これはアメリカン用ですかと聞きたくなるほどの粗挽きにしてくれた。具体的に言うと平均0.7ミリ程度の粗さに挽いてあって、アメリカン用かどうかはともかく、少なくともいわゆるエスプレッソ用ではない。なのにいつもの豆屋さんのおじさんはいつもどおりニコニコしているので私もニコニコしながら受け取り、首をかしげながら帰った。「本当に?」 結論を先に言うとこれはこれで美味しい。ただし砂糖をたっぷり入れて飲むと何だってそれなりに美味しいという説もあるが。

■今日の仮説
エスプレッソは細挽きで淹れるべき。粗挽きで美味しいなら細挽きはもっと美味しい
エスプレッソは実は粗挽きで淹れても美味しい。これは好みの問題である
③豆屋のおじさんが間違えた

個人的には
④おじさんは確信犯(②')
なんじゃないかなあ、と思いながら、ちびちび飲んでいます。