誰も教えてくれない聖書の読み方

誰も教えてくれない聖書の読み方

 神さまは、汗かきにそばに来られるのを嫌がる  ――Ezechiel 44:17-18

中世、少なくともルネサンス以前ならまず間違いなく禁書、紳士は蒼白な顔で十字を切り、淑女はばたばた卒倒。本当かそうでないかにかかわらず著者っぽい人間は皆捕まえられて宗教裁判所でベルナール・ギーみたいなのと勝ち目のない口論をさせられたあげく拷問されて水につけられて浮かんだら魔女で沈んだら人間でほら浮かんだ魔女だ死刑、という具合に護摩の火で焼き尽くされること請け合いの一冊。聖書の文句に対する揚げ足取りと難癖の宝庫。絶対直撃しない集中砲火を喰らいながら、「それでも聖書っていいよね」と逆説的な信仰を深めるのに向く。訳者の補注と後書きも楽しい。