Canvas セピア色のモチーフ 再考

Canvas ~セピア色のモチーフ~ DVD版
以前はこんなこと(id:hajic:20041126#p2)を言っていたけれど、よくよく考えてみるとかなり良くできた――というよりF&C製のゲームソフトとは思えないくらい奇跡的に良くできたシナリオを持つソフト。主人公の過去をキーワードに、だいたいのところで全部のストーリーがうまく結びつきます(それはさっぱり褒め言葉ではない、と仰る方もありましょうが、まあ、殆どのソフトはこれができていません)。信じられた嘘、偽りは一種の呪いであって、気づかぬ限り真実となり得る。人は過去も世界も変えられないが、今の自分だけは変えることができる。この一見パステル調の物語が扱う深刻なテーマはシンフォニック=レインとも響き合うところがあり、ほぼ間違いなく、本作はSRの参考とされたのでしょう。ええ、密かな名作です。なおシリーズ第二作、『Canvas2』は鷺ノ宮藍のお姉さんが出てくる以外ほぼ無関係。メーカーが気合いを入れて作ったCanvas世界のファンディスクみたいなものと言っても過言ではないのですが、これはこれで楽しい。ファンディスク万歳。

追記:
アマゾンの概要説明文
『女の子達と触れ合って自分を取り戻す18禁恋愛SLGのDVD版 』
というのはまさにその通りなんだけどちょっとどうかと思う。