シンフォニック=レイン

気をつけてください。
私の説明が単なる「よく筋道の通った嘘」でないことは
私自身にさえ保証できません。
そこにはただ、「もっともらしさの程度が異なる、いくつかの説明」があるだけで、
どれが真実かなんていうことには、たぶん、あまり意味がないのです。


追記:
私がこの真相に気づいたのは、ちょうど遊びに来ていた私の弟との会話の中でした。彼は真実を見抜くことはできたけれど、それをうまく言葉に、文章にできない。私は、私自身では真実に辿り着くことは出来ませんでしたが、それらを文章として紡ぐことができました。真実を欠いた、流暢な嘘だけでは世界は構成できない。しかし、バラバラな真実もまた、あまり役に立ちません。それは嘘でつなぎあわせられなければならない。
…どうやら私は「歌い手」、つまり嘘つきのようです。