真・トルタエンド 『絶対確信』
ではいったい、「何が」おかしいのか。 ――そして 「誰が」偽っているのか。
12/25 天蓋広場にて トルタと
「僕は上を向いて、その丈夫で美しい天蓋を見上げてみた。
トルタの言うように、漏れるなんてことはありそうにない」
「雨を避けるために作られたその屋根は美しく、機能のためだけそこに存在しているとは思えなかった」
クリスにとっての絶対的確信=雨のなかの天蓋。
それは世界の「偽り」を完全に隠すために作られた、誰かの、とても美しい、なにか。
その中にさえ、一滴の嘘が降り始める。
いや、「降ってくるはずがない」。もし降っていたとしても、振り込むはずがない。それまで、いくら雨が降り続けていたとしても、天蓋のなかで、雨が降るなどということは、ありえない。それは、「絶対にあってはならないこと」。そう、そこには一つだけ、しかし、絶対的な嘘が一つ、ぽつりと一滴。落とされる。
トルタは僕にとって、なんなんだろう…と。
昼に、おじさんは恋人のようだと言った。
でも実際は、僕たちはただの幼なじみで、同じ学院に通う親友だった。
でも、それだけではない。そう割り切ってしまえるほど、浅い関係でもないような気がする。それを言葉にしてしまうのは嫌だったから、僕はただ、それを疑問に思い、答えに気づかない振りをした。
絶対確信。それはこの物語すべてを包み込む、
美しく、悲しい、最大で、最凶で、完璧な、最後の 『偽り』。
――『僕は、アルが好き』